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2023.08.29

3階建てが老後、暮らしにくい理由とは?快適に暮らし続けるためのヒント

3階建てが老後、暮らしにくい理由とは?快適に暮らし続けるためのヒント

3階建てが老後、暮らしにくい理由とは?快適に暮らし続けるためのヒント

3階建ての最大の魅力は、狭い土地でも居住スペースにゆとりを持てることです。特に都市部など利便性の高いエリアは土地代も高く、限られた土地を効率よく利用できる3階建てに注目が集まっています。

一方で「高齢になると暮らしにくい」という声もあり、3階建てにするかを迷っている人は多いと思われます。そんなお悩みを払拭すべく、この記事では3階建て住宅で暮らしにくさを感じる理由と、老後も快適に暮らすためのヒントを紹介します。3階建て住宅に興味のある人は、ぜひ参考にしてください。

3階建てが老後、暮らしにくい理由とは?

3階建てが老後、暮らしにくい理由とは?

そもそもなぜ年齢を重ねると3階建てが暮らしにくくなるのでしょうか。将来に向けた対処方法を考えるために、まずは暮らしにくさの理由を探っていきましょう。

階段の上り下りが多い生活になるから

3階建ての住宅で暮らしにくさを感じる一番の理由は、家の中での階段移動が増えることです。高齢になると筋力が衰え、階段の上り下りを負担に感じるようになります。また、バランス機能も低下するため、少しの段差でもつまづくことが増えていきます。

厚生労働省の「人口動態調査(2021年)」によれば、65歳以上の家庭内での「転倒・転落・墜落」による死亡者数は2,184人です。同じく65歳以上の同年の交通事故による死亡者数1,520人と比べると、家の中がいかに危険かがわかります。

安全に暮らすには、朝起きてから夜寝るまでの生活のすべてがワンフロアで完結し、かつ段差の少ないバリアフリー設計が理想です。しかしながら、狭小地での3階建て住宅で実現することは難しいでしょう。

3階建ての狭小住宅では、1階はインナーガレージと水回り、2階はLDK、3階に家族それぞれの個室…といったようにフロアごとに用途を分けることが多いです。おまけに居室のスペースを広げるために、階段を極小寸法で設計することが珍しくありません。狭くて勾配のきつい階段を毎日何度も上り下りするのは、足腰が弱った高齢者にはかなりの負担になると想像できます。

出典:家庭における主な不慮の事故による死因(三桁基本分類)別にみた年齢(特定階級)別死亡数及び百分率|e-Stat 

出典:統計表(交通事故死者数について)|警察庁

各階に温度差が生じやすいから

縦に長い構造の3階建て住宅は、1階と3階の温度差が大きくなりやすいことも暮らしにくさを感じる理由の一つになります。暖かい空気は上へ向かって流れるため、冬の1階部分は2階・3階に比べて冷え込みがちです。浴室が1階にある場合、入浴中にヒートショックを起こす危険性に注意しなくてはなりません。

ヒートショックとは、急激な気温の変化が血圧に影響し、めまいや立ちくらみ、ひどいときは失神、心臓発作を引き起こす症状をいいます。入浴中に気を失って溺れてしまうこともありますし、浴室に向かう階段の途中で立ちくらみを起こせば、そのまま転落するおそれもあります。前出の「人口動態調査(2021年)」では、80歳以上の家庭における主な不慮の事故での死亡者数は7,570人。死因で最も多いのが「浴槽内での溺死及び溺水」で、2,963人と全体の約4割を占めています。

高齢者は体温調節機能が低下するため、寒暖差や温度差で体調を崩しがちです。このところ夏の暑さが年々厳しさを増し、家の中で過ごしているにもかかわらず熱中症にかかる高齢者が増えています。これも温度に対する感覚が弱くなることが、要因の一つだといわれています。

周辺環境によって改修工事が容易ではないから

3階建てに限らず長く住み続けていると家そのものは古びていきますし、加齢による身体の変化によっても暮らしにくさを感じるようになります。そうしたとき、リフォームやリノベーションで改善していくのが一般的ですが、都市部の狭小地は改修工事が難しい環境であることは覚えておいたほうがよいでしょう。

具体的には、前面道路が狭くてトラックや重機が家の前まで入れないケースや、隣家と近すぎて足場が組めないケースです。家の前まで大型車が入れないとすると、近くに駐車場と作業場所を確保して材料の運搬を人の手で行う必要があります。足場が組めなければ、ほかの方法で高所作業をしなくてはなりません。時間と手間がかかる分、全体のコストが高くなりやすいことに注意してください。

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3階建てに老後も快適に暮らし続けるためのヒント

家を建てるなら、できるだけ長く住める家がいいですよね。そこでここからは、3階建て住宅にありがちな老後の暮らしにくさを少しでも解消するために、おすすめしたい家づくりのヒントを紹介します。

全館空調を取り入れる

全館空調を取り入れる

各フロアの温度差を解消するには、家の中の温度を一定に保つ「全館空調システム」が効果的です。24時間365日を通して室内の寒暖差がなくなれば、年齢を重ねるごとに起こりやすいヒートショックや熱中症のリスクも軽減できるはずです。

実は大きな気温の変化は、年齢に関係なく心身に影響を与えます。たとえば季節の変わり目に、疲れがなかなかとれなかったり気持ちが落ち込んだりといったことがないでしょうか。もしかしたら「寒暖差疲労」かもしれません。体温をコントロールするために自律神経が活発に働き、エネルギーを大量に消費することが原因で起こる症状です。常に快適な室温が保たれる家で過ごせたら、疲労の蓄積も少なく抑えられるでしょう。

また、全館空調システムは室温を一定に保ちながら空気の入れ替えも行うため、カビやダニによるアレルギーに悩む人にもおすすめです。外気はフィルターを通して取り込まれ、窓を開けたときのように花粉やウイルスがダイレクトに室内に入ることがありません。子どもから高齢者まで、家族全員の健康維持に役立つ設備といえるでしょう。

高気密・高断熱の家づくりをする

全館空調システムは、高気密・高断熱の家でこそ効果を発揮します。全館空調は基本的に24時間365日稼働するため、電気代が高額になりがちです。しかしながら、高気密・高断熱の家であれば建物全体が密閉された空間になり、冷暖房の効率が上がって光熱費が抑えられます。特に建物自体がコンパクトな狭小住宅は、少ないエネルギー消費で快適な温度に保たれやすいのがメリットです。

なお、高気密・高断熱の家づくりは国や自治体からの補助金の対象です。いくつかの補助金制度があり、それぞれに要件や金額が異なるので、適用される制度がないか調べてみてください。ハウスメーカー経由で申請するものもあるため、担当者に尋ねてみるのが一番の近道です。

スキップフロアで段差を緩やかにする

部屋全体が明るくなりやすい

3階建て住宅では、階段移動を避けることはできません。なるべくリスクを減らすために、スキップフロアを導入してみてはいかがでしょうか。

スキップフロアとは、1階~3階の各フロアの中間に配置されるスペースのことをいいます。階段の踊り場のようなものですが、ソファーを置いたり子どもの遊び場にできたりするくらいの広さがあることが特徴です。各フロアを床や壁ではなく段差で区切るため、明るくて風通しの良い開放的な空間を実現できます。それぞれの階段は段数が少ないので、もし落下したとしても大きな事故にはつながりにくいでしょう。新築時に手すりを設置しておけば、将来的にも安心です。

デメリットをあげるとしたら、大空間になるため冷暖房の効率が下がりやすいことと、立体的な動線設計が難しいことです。冷暖房効率については、前述のとおり高気密・高断熱の家に全館空調システムを導入することでクリアできます。設計に関しては、スキップフロアの施工実績が多いハウスメーカーに相談・依頼すれば、満足のいく家づくりができるでしょう。

耐震性の高い構造で家づくりをする

老後対策としてホームエレベーターの導入を勧められることがあるかもしれません。ホームエレベーターがあれば足腰が弱って階段移動が負担になったときも、車いすが必要になったときも安心です。普段の生活でも、重い荷物を運ぶときに役立つでしょう。

2人乗りのホームエレベーターは畳1帖ほどの広さで、3階建てに設置する場合は本体+工事費で320~450万円が目安となります。「予算オーバーなので必要になってから導入する」という考え方もアリですが、補強が必要になるため工事が大掛かりになり、費用も割高です。将来的に導入するにしても設置場所は確保して、あらかじめ補強材を入れておくとよいでしょう。

なお、タテに細長い3階建て狭小住宅は耐震性が低くなりがちです。重量のあるホームエレベーターを検討する際は、鉄骨造やRC(鉄筋コンクリート)造など耐震性の高い構造での家づくりをおすすめします。

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耐震性の高い3階建てならトヨタホームの鉄骨ラーメンユニット構造で建てよう

狭小地で十分な居住スペースを得るなら、3階建てがおすすめです。ただし、家の中での階段移動が多くなるため、年齢を重ねるにつれて暮らしにくさを感じるようになる可能性があります。老後の暮らしにくさ対策にはホームエレベーターが有効ですが、タテに長い3階建てに設置する場合は、強度と耐震性の高い構造を選ぶと安心です。

トヨタホームでは、高層ビルにも採用されている鉄骨ラーメンユニット構造をおすすめしています。鉄の持ち味であるしなやかな粘り強さが高い耐震性を発揮し、耐久性も抜群で長く住み続けられる家づくりが可能です。さらに全館空調を導入すれば、ヒートショックや熱中症の心配が少ない健康的かつ快適な暮らしが実現できるでしょう。カタログまたは展示場で、ぜひトヨタホームの家を確かめてみてください。

【全国のトヨタホーム展示場を探す】https://www.toyotahome.co.jp/kyoten/?ad_cd=hometag

【カタログ請求はこちら】https://www.toyotahome.co.jp/s/catalog/list/?ad_cd=hometag

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