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2022.12.31

ZEH(ゼッチ)基準の住まいは省エネ基準よりハードルが高い!?要件をおさらいしてみよう

ZEH(ゼッチ)基準の住まいは省エネ基準よりハードルが高い!?要件をおさらい

ZEH(ゼッチ)基準の住まいは省エネ基準よりハードルが高い!?要件をおさらいしてみよう

注文住宅を検討中の人なら、「ZEH(ゼッチ)」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。2020年に国はエネルギー政策として、2030年以降に建てられる新築住宅にZEHを義務化することを目指していました。現状、義務化は延期されているものの、いまやハウスメーカーが新築する注文戸建て住宅において半数以上もの住宅が、ZEH基準に適合した住宅となっています。たとえ義務化されなくても、今後の新築住宅はZEHが主流になっていくことでしょう。そこでこの記事では「ZEH基準」とは何か、どのような住宅のことを指すのかを中心に、ZEHについて詳しく解説します。

そもそも「ZEH(ゼッチ)」とは?

ZEHとは「net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略称で、太陽光発電(再生可能エネルギー)などの創エネや省エネ効果の高い住宅設備の導入などにより、住宅の年間エネルギー消費量をゼロ以下にする住宅のことです。

建物の利用に伴う直接的なエネルギー消費量は「一次エネルギー消費量」と呼ばれ、自然界から得られる石油や石炭、天然ガスなどのエネルギーが当てはまります。なお、これらを加工して作られる電気やガス、都市ガスなどは「二次エネルギー」に分類されます。

住宅ではこの二次エネルギーを利用しますが、それぞれ異なる計量単位が使われているため、J(ジュール)という単位で統一されている一次エネルギー消費量に換算して住宅の総エネルギー消費量を求めます。その計算に含まれるのは空調や照明、換気、給湯で使用されるエネルギーのみです。

この一次エネルギー消費量を削減するために、ZEHでは「断熱性能」「省エネ性能」「創エネ」の3つの要素が必要不可欠です。具体的な基準は、以下のようになっています。

(1)【断熱性能】

平成28年省エネルギー基準を満たしたうえで、高い断熱性能がある建築物であること(※外皮平均熱貫流率・UA値の基準あり)

(2)【省エネ性能】

太陽光発電設備などの再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上のエネルギーを削減すること

(3)【創エネ】

太陽光発電設備などの再生可能エネルギーを導入すること

(4)【創エネ/省エネ】

太陽光発電設備などの再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量を削減すること

それぞれにクリアすべき基準が設定されています。次の章で、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

基準一次エネルギー消費量とは、建築する地域や建物の用途、床面積などの条件により定められている基準のこと

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ZEH(ゼッチ)の3つの基準とは?

ZEHでは、エネルギー消費量の削減に関して省エネ住宅よりもさらに厳しい条件が求められます。そこで、ここではZEHが満たすべき3つの基準について、省エネ住宅の基準と照らし合わせながら詳しく解説します。

断熱性能

ZEH(ゼッチ)の3つの基準とは?ー断熱性能

ZEHでは「エネルギーを極力、必要としないこと」を目標としています。要するに「夏は涼しく、冬は暖かい住宅」が理想で、その際に重要となるのが「外平均熱貫流率(UA値)」です。

平均熱貫流率(UA値)とは、室内と外気の熱の出入りのしやすさを表した指標のことです。具体的には、住宅の内部から床や外壁、屋根(天井)開口部などの住宅の外皮を通過して外部へ逃げる熱量を、外皮全体で平均して算出されます。この外平均熱貫流率(UA値)は、全国の市町村ごとに定められた8つの地域区分ごとに基準が設定されており、それぞれの数値は以下のようになっています。

地域区分 ZEH基準 省エネ基準
1地域 (夕張等) 0.4 0.46
2地域 (札幌等) 0.4 0.46
3地域 (盛岡等)  0.5 0.56
4地域 (会津若松等) 0.6 0.75
5地域 (水戸等)   0.6 0.87
6地域 (東京等) 0.6 0.87
7地域 (熊本等) 0.6 0.87
8地域 (那覇等) ―  ― 

こうして見ると、ZEH基準では0.4〜0.6[W/㎡K]以下という比較的低い数値をクリアしなければならず、省エネ基準よりも厳しい条件であることが分かります。

また断熱性能を判断するための指標には、太陽日射の室内への入りやすさを示す平均日射熱取得率(ηAC)という指標もあり、基準値は以下の通りです。

地域区分 ZEH基準
1地域 (夕張等)
2地域 (札幌等)
3地域 (盛岡等) 
4地域 (会津若松等)
5地域 (水戸等)   3.0
6地域 (東京等) 2.8
7地域 (熊本等) 2.7
8地域 (那覇等) 6.7

こちらも値が小さいほど直射日光が入りにくく、遮蔽性能と断熱性能が高いことを示しています。外平均熱貫流率(UA値)、平均日射熱取得率(ηAC)の値がどちらもZEHの基準以内なら、夏は暑さを室内に通さず、冬は暖かさを外に逃がしにくいため、冷暖房効率が優れた家といえるでしょう。断熱性能は採用する断熱材や窓のタイプで大きく異なるため、どんな素材や種類を選ぶかも重要です。

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省エネ性能

ZEH(ゼッチ)の3つの基準とは?ー省エネ性能

ZEHでは、「エネルギーを効率的に使う住宅」であることが求められます。省エネ性能の高い空調や照明、換気、給湯の4つの項目を導入すればエネルギー消費量を大きく削減できますが、そのためにはZEH基準を満たした「ZEHマーク」が表示されている機器や建材を活用して住まいづくりをしていく必要があります。

また、優れた省エネ性能を実現するためには、住宅の消費エネルギーや太陽光発電等で創るエネルギー量を可視化できる「HEMS(ヘムス)」というシステムが必要です。HEMSを導入すればエネルギーの無駄遣いを防げるのはもちろん、電気以外のエネルギーの管理や、無駄な電力を自動で制御できるようになります。ZEHでは、このHEMSと省エネ性能が高い設備を組み合わせ、太陽光発電等による創エネ分を除いて一次エネルギーの消費量を20%以上削減することが求められています。

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創エネ

ZEH(ゼッチ)の3つの基準とは?ー創エネ

ZEHでは、省エネに創エネを組み合わせることで、年間の一次エネルギー消費量をおおむねゼロにすることを目指しています。そのためには、創エネ設備の導入が欠かせません。

創エネ設備の代表的なものとしては、太陽光発電が挙げられます。余った電気は電力会社へ売却することも可能なので、経済面でも効果的です。創エネにはその他にも、水素と酸素の化学反応により電気を生み出す家庭用燃料電池を使用したエネファームや、ガスでエンジンを動かして発電するエコウィルなどもあります。

せっかく作った電気を貯めておくためには、創エネ設備と合わせて家庭用燃料電池や蓄電池の導入も必要です。電気を貯めることができれば、万が一災害が起こった時にもエネルギーの補充が可能になるでしょう。

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「ZEH」以外にも5種類あり!

一口に「ZEH」といってもその種類はさまざまで、戸建て住宅にはZEH以外にも「ZEH Oriented」「Nearly ZEH」「ZEH +」「Nearly ZEH +」「次世代ZEH +」があります。

「ZEH Oriented」は、都市部に多い狭小地で太陽光発電等による創エネが十分にできない場所を対象にしたもので、「断熱性能+省エネ性能」では、20%以上の基準一次エネルギー消費量を削減した住宅のことです。再生可能エネルギーによる発電設備を導入していなくても構いません。

「Nearly ZEH(ニアリー ゼッチ)」は、上記の「ZEH Oriented」の条件を満たしたうえで創エネ設備を導入し、75%以上100%未満の基準一次エネルギー消費量を削減した住宅のことです。「Nearly」とは「ほぼ」という意味合いなので、「ほぼゼロエネルギー」を目指した基準のことを指します。

ZEHよりもさらに優れた性能をもつ「ZEH +(ゼッチ プラス)」は、ZEHの基準を満たしていることに加えて、基準一次エネルギー消費量の25%以上を削減しているほか、ZEHより多くの条件をクリアした、ZEHの最上位モデルといえる家のことです。

一方、「Nearly ZEH+(ニアリー ゼッチ プラス)」は高性能な住宅であるものの、エネルギーを十分に作り出せない寒冷地や日照率が低い地域、降雪量が多い地域を対象にしたものです。断熱と省エネによる省エネルギー率が25%以上、および創エネを含んだ省エネ率が75%以上100%未満であることが求められます。

最後に「次世代ZEH +」は、ZEHをより高性能化した住宅として、充放電設備などの再生可能エネルギーの自家消費拡大につながる設備を導入した住宅のことです。ZEH+の要件に加え、蓄電システムやV2H充電設備、燃料電池、太陽熱利用温水システムのいずれか1つの導入が必要など、さらに厳しい基準となっています。

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トヨタホームのZEHは制約されがちな大空間・大開口も可能!

省エネ住宅よりもさらに厳しい要件が科せられるZEHでは、断熱性能、省エネ性能、創エネの3つの基準が定められています。これらの基準を満たすためには、優れた建物性能が欠かせません。

トヨタホームのZEHは外壁や天井、床に加え、窓、ドアなどの開口部の性能を強化した高断熱仕様。窓が大きく広いLDKは、熱が逃げやすく、暑さや寒さが問題になりがちですが、トヨタホームなら、快適で心地よい大空間や大開口を実現します。

さらに、電気の使用状況を管理できる「HEMS(ホーム・ エネルギー・マネジメント・システム)」やオリジナル全館空調システム「スマート・エアーズ」などを搭載した、より快適で先進的なZEH住宅を提案しています。

 

トヨタホームのゼロ・エネルギーハウスについて知りたい人は、こちらをクリックしてみてください。

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