近年、和の落ち着きと現代的なスタイリッシュさが融合する「和モダン」テイストが人気を集めています。注文住宅でも和モダンを希望する声は多いのですが、イメージがうまくまとまらず、悩む人も大勢見受けられます。そこで今回は、和モダンな家を実現するコツとして、取り入れたい間取りのアイデアやインテリアのポイントなどをまとめました。ぜひ参考にしてください。
和モダンとは?特徴を紹介!
和モダンとは、伝統的な和の要素に現代的なデザインをバランス良く組み合わせた様子を指す言葉で、インテリア、ファッション、グラフィックデザインなど幅広い方面で使用されています。
モダンには「近代的」「現代的」という意味があり、余計な装飾のないシンプルで都会的なデザインが特徴です。インテリアにおいては、ガラスやスチールなどの無機質な素材を用い、白・黒・グレーの無彩色を中心に人工的でシャープな印象の空間をつくりあげます。
一方、日本古来の建築では木や土などの自然素材が用いられてきました。これらの正反対ともいえるテイストが融合したのが和モダンで、スタイリッシュでありながら温かみのある落ち着いた雰囲気が魅力です。また、どこか懐かしさを感じさせる趣もあり、年代を問わず人気を集めています。
和モダンにするための大切な要素
和モダンな家に仕上げるために押さえておきたいポイントは、次の3つです。
・和と洋のバランス
・自然素材
・繊細なデザイン
それぞれ詳しく紹介します。
和と洋のバランス
和洋どちらかに偏り過ぎず、それぞれのテイストをインテリアにバランス良く取り入れると洗練された雰囲気になります。例えば、フローリングの部屋に和箪笥や和紙照明、畳敷きの部屋にシンプルなデザインのローソファ…といった具合です。好みにもよりますが、配分は「和6:モダン4」くらいを意識すると良いでしょう。
ちなみに、家具はロータイプを選ぶのがポイント。そもそも日本では椅子を使わない床座の生活が当たり前で、家具も背の低いものがほとんどでした。ロータイプの家具は和モダンに馴染みやすく、天井が高く感じられて開放感のある空間を作ることができます。
自然素材
無垢材や漆喰、珪藻土、竹、紙など、自然由来の素材を取り入れるのも和モダンの特徴です。見た目や手触りが優しく、ゆったりとした雰囲気が演出できます。杉一枚板のカウンターや焼きものの手洗いボウルなど、ピンポイントで和を演出するのもおしゃれですね。
また、自然と癒しを演出するアイテムとして観葉植物も欠かせません。和モダンには葉が小さい植物が似合います。例えば、細長い葉が広がる「シュロチク」は高さ3mほどに成長するため、リビングや広めの和室におすすめです。緑と白のコントラストが映える「オリヅルラン」は比較的小ぶりで、飾る場所を選びません。くねくねと螺旋状の茎を持つ「ラセンイ」は畳に使われるイグサが変異したもので、個性的なフォルムですが、不思議と和の雰囲気になじみます。
繊細なデザイン
和モダンのインテリアは、曲線よりも直線、太い線より細い線が似合います。そもそも日本古来の木造軸組工法は、柱を基本として縦横に直線のラインで構成されるもの。インテリアも直線を意識すると、すっきりとまとまります。
例えば、引き戸やパーテーションなどの「格子」は、組子の1本1本が細いほど、また間隔が狭いほど繊細な雰囲気になります。ただし、素材によっても雰囲気が変わり、ヒノキ材は和のテイストが強調されます。和モダンに用いる場合はパイン材やオーク材がおすすめです。
和モダンで取り入れたいインテリア
和モダンな家といっても外観を和風に寄せる必要はなく、どのようなインテリアを取り入れるかを考えるほうが重要です。ここからは和モダンにおすすめのインテリアと、取り入れたい間取りとして「坪庭」と「土間」について紹介します。
琉球畳(半畳畳)
和モダンで使う畳は一般的な1帖サイズの縁あり畳ではなく、縁のない「半帖畳」をおすすめします。縁がないため見た目がすっきりとして部屋が広く見えることや、ソファなど洋風の家具となじみやすいことがその理由です。ところで、半帖畳と聞いて「琉球畳」を思い浮かべる人は多いでしょう。琉球畳の材料は「七島(しちとう)いぐさ」という植物で、現在は大分県でしか生産されていません。材料が希少な上、琉球畳を作る技術を持つ職人も少なく、価格は高額です。
そのため近年は、和紙や樹脂を素材とした半帖畳を採用するケースが増えています。畳特有のいぐさの香りは楽しめませんが、比較的安価で、いぐさのように日焼けで変色することがありません。カラーバリエーションが豊富で、洋風のインテリアに合わせやすいのもメリットです。また汚れにくく、カビやダニが発生しにくいため、アレルギーが気になる人や子どもがいる家庭にはとくにおすすめといえます。
障子
和紙を通して柔らかい光を室内に届ける障子は、和室に欠かせないアイテムです。遮熱効果によって冷暖房の効率がアップするだけでなく、木材と紙による調湿作用で部屋の湿度をコントロールする効果もあります。和のイメージがグッと強くなるため、和モダンでは組子の色や形状でデザイン性を高めましょう。
障子には豊富なバリエーションがありますが、和モダンには組子の間隔が細かい「縦繋(たてしげ)障子」「横繋(よこしげ)障子」、縦横の組子が正方形に組まれた「枡組(ますぐみ)障子」などがおすすめです。よりデザイン性を高めたい場合は、伝統芸能の組子細工が施された障子もチェックしてみてください。組子細工には200種類以上ものデザインがあるとされ、個性的なインテリアを目指す人におすすめです。
坪庭
坪庭とは、塀や垣根などで囲われた小さな庭のことを指します。名前が示すように1坪(畳2帖分)程度の広さしかなく、間口が狭く奥行きのある京都の町家で、採光や通風のために確保されたのが始まりといわれています。中庭も同じように周囲を囲まれたプライベート空間ですが、子どもを遊ばせたりバーベキューなどを楽しんだりと自由に使うことを目的としているのに対し、坪庭は風情や景観を眺めて楽しむことを目的とする「癒し」の空間です。
坪庭は玄関わきや浴室・リビング周りに設置されるのが一般的ですが、とくに決まりはありません。奥行きの長い建物の中心部分や、通りに面していて窓を設置しにくい場所などに坪庭があると、明るくて風通しの良い間取りが実現できるでしょう。坪庭には和のイメージが持たれがちですが、照明を効果的に使ったモダンなデザインの坪庭も増えています。和モダンの演出に取り入れてみてはいかがでしょうか。
土間
土間は、室内でありながら床材を張らずに土足で歩くように作られたスペースを指します。屋外と室内の中間地点であり、土がついた農機具や野菜の保管場所として、主に農家で活用されてきました。その利便性が注目され、近年は注文住宅に土間を取り入れるケースが増えています。
玄関ドアを開けてすぐに室内につながる一般的な間取りに比べ、広い土間がある生活にはさまざまなメリットがあります。例えば、自転車やバイクを土間に入れてしまえば盗難防止になりますし、汚れが気になるアウトドアグッズの収納場所にも最適です。また、小さな椅子とテーブルを設置すればちょっとしたコミュニケーションスペースになり、室内が散らかっているから…と急な来客に慌てることがありません。雨の日には子どもがのびのびと遊べるスペースにもなることから、とくに子育て世代からの人気が高まっています。その他にも、ライフスタイルに応じてさまざまな用途に活用できるのが土間の魅力です。
和モダンに仕上げるには「色」もこだわろう
インテリアを決めるとき、とくに気をつけたいのが色選びです。インテリアの配色には黄金比があり、「ベースカラー70%:アソートカラー25%:アクセントカラー5%」が理想的とされています。ベースカラーは床や壁・天井といった面積の広い場所に、アソートカラーはカーテンやラグ、ソファなど大きめのファブリックや家具に用いる色です。これらの色を引き立てる役割を持つのがアクセントカラーで、クッションや小物類に使用します。
ちなみに、和モダンにおすすめの色は次のとおりです。
【ベースカラー】
木材をイメージする茶系の色
モダンを象徴するモノトーン(白・黒・グレー)
【アソートカラー】
自然をイメージするアースカラー(ベージュ・ブラウン・テラコッタ・カーキ・モスグリーン・ブルーなど)
畳・緑茶・竹など和をイメージする緑系の色
【アクセントカラー】
日本の伝統色で明度・彩度が低めのもの(黄土色・柿色・藍色・紺色・うぐいす色・小豆色など)
全体的にダークな色が多いと都会的に、明るく柔らかい色が多いとナチュラルなイメージに仕上がります。どちらのイメージに近づけたいのかを決めてから、色を選んでいくと良いでしょう。なお、アクセントカラーに赤や黄色などのはっきりした色を入れても和モダンは作れますが、バランスを取るのが難しいため、インテリアコーディネーターに相談することをおすすめします。
住む人にやすらぎをもたらす和モダンの住まいをトヨタホームがご提案
和モダンの家では、和洋それぞれの要素の取り入れ方やちょっとした配色の違いなどでバランスが崩れてしまい、ちぐはぐな印象になってしまうことがあります。
トヨタホームが提案する和モダンは、障子と格子、テキスタイルフロアによる水平・垂直のラインが印象的な凛とした和スタイルです。テキスタイルフロアは古来伝統の平織りを再現した床材で、畳ともカーペットとも違う柔らかな素材感を楽しめます。トヨタホームの和モダンスタイルが気になる人は、どうぞお気軽にカタログ請求または展示場へご来場ください。
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