ガレージハウスを作りたいと思って情報収集していると、「インナーガレージ」と「ビルトインガレージ」という2つの用語が出てきて、「何が違うの?」と混乱してしまう人もいるかもしれません。実はハウスメーカーによってこうした呼び名の違いはあるものの、どちらも意味合いは同じです。
この記事では、そんなインナーガレージやビルトインガレージの特徴をはじめ、メリットやデメリット、またガレージの利便性を高めるアイデアについても紹介します。ビルトインガレージの建築を検討している方は、ぜひよく読んで家づくりの参考にしてください。
「インナーガレージ」と「ビルトインガレージ」の違いとは?
インナーガレージの「インナー」とは、英語で「内側の」「内部の」という意味を持っています。一方、ビルトインガレージの「ビルトイン」とは、「内蔵(の)」「組み込み(の)」という意味です。
つまり、呼び名は違うものの「インナーガレージ」も「ビルトインガレージ」も住宅の内部に組み込まれたガレージのことを指す言葉であり、意味合いに違いはありません。
住宅の内部に組み込むガレージには、駐車スペースと外部をシャッターなどで仕切れるようにしたクローズタイプもあります。いずれにしても、建物の一部として建築されたガレージは、「インナーガレージ」または「ビルトインガレージ」と呼びます。2つの呼び名の使い分けはハウスメーカーによって違いますが、これらのガレージを備えた家を「ガレージハウス」と呼ぶのが一般的です。
インナーガレージ・ビルトインガレージのメリット
まずは、ガレージを住宅の内部に組み込むメリットについて見ていきましょう。以下、記事内での表記は、「インナーガレージ」で統一します。
セキュリティ面で安心感がある
インナーガレージにシャッターがある場合は、シャッターを閉めれば建物と一体化するため外部からの侵入を防ぐことができます。車の窃盗や車上荒らしの件数は年々増えており、自宅内の駐車スペースに停めた車が被害に遭うことも少なくありません。特に高級車や希少な車種は狙われやすいため、このような車に乗っている場合はより注意が必要です。
たとえドライブレコーダーを搭載していても、駐車中でも録画ができる「駐車監視機能」が付いていなければ、車上荒らしの抑止効果はあまり期待できません。そのため、高級車が多いエリアに家を建てる場合や治安にやや不安がある場合は、シャッター付きのインナーガレージを建てるのが有効です。セキュリティをさらに高めたいなら、ガレージにセンサーライトや防犯カメラを設置するとよいでしょう。
車の劣化や傷から守ってくれる
台風などの風の強い日には、飛んできた瓦が車の窓を突き破るなど、飛来物による被害も少なくありません。また、外に置いている車は紫外線を浴び続けることにより、塗装が徐々に色あせて劣化してしまいます。もしレザーシートを採用している場合は、外装だけでなく内装まで傷んでしまう可能性もあるでしょう。
このように、屋根のないガレージやカーポートのような外付けの駐車スペースに車を保管する場合は、愛車が傷みやすくなる原因にもなります。その点、インナーガレージの場合は風雨や紫外線に直接さらされにくいため、車の傷や劣化を防ぐことができます。さらにシャッターがあれば、強風時でも飛来物による破損のリスクがなく、車をしっかり守ることができるでしょう。
雨の日に濡れずに車に乗り入れできる
インナーガレージの最大のメリットは、天候が悪い日でも車への乗り入れが楽にできることです。戸建てでも駐車スペースが外付けの場合は、雨の日に玄関から車まで傘を差さなければなりません。買い物した後、傘を差しながら大量の荷物を家に運び入れるのは大変です。また、小さな子どもや杖をつく高齢者がいる場合は、濡れないように車に乗せるのも一苦労でしょう。
しかし車が室内にあるインナーガレージなら、雨に濡れる心配がありません。頻繁に車で買い物に出かけたり、子どもの送迎が多かったりする家庭にも最適です。雪下ろしも必要ないため、雪国に住む人でもインナーガレージを取り入れる人が増えています。
家族にとって便利なスペースにもなる
インナーガレージは使い方次第では、家族にとっても便利な空間になります。
例えば、映画好きの家族がいるならスクリーンやプロジェクターを設置しシアタールームにするなど、趣味の場所としてもおすすめです。また広さにゆとりがあれば、小さなお子さんの自転車の練習やボール遊び、夏はプール遊びなど、子どもたちのプレイスペースにもできます。ガレージとリビングの間に大開口の窓を設置すれば、子どもが遊ぶ様子を室内から見守ることもできるでしょう。
さらに、友だちを招いてパーティー会場としても利用可能です。シャッターを開ければBBQもでき、季節を問わずさまざまな楽しみ方ができます。
インナーガレージ・ビルトインガレージのデメリット
ここからは、インナーガレージのデメリットについて紹介します。メリットと合わせてしっかり押さえ、後悔のないガレージハウスを建てましょう。
排気ガスの換気対策が必要
インナーガレージは室内にあるため、排気ガスが充満・滞留しがちです。適切な換気設備や小窓などを設置するなど万全の対策を取らなければ、住宅内に排気ガスが流れ込み、居住スペースで異臭を感じるなどのトラブルがあるかもしれません。
特に冬の寒い時期、ガレージ内で暖機運転する場合は注意が必要です。場合によっては、一酸化炭素中毒などの重大な健康被害を引き起こすリスクも。しっかりとした換気対策をとるようにしましょう。
エンジン音やシャッター音など騒音への配慮が必要
車好きの人にとってはエンジン音も心地いい響きかもしれませんが、そうではない人にとってはただの騒音です。特に深夜や早朝に車の出入りが多い家庭では、家族はもちろん近隣住民の眠りを妨げないようにエンジン音に気を配る必要があります。
インナーガレージの真上はエンジン音が響きやすいので、間取り決めをする際はインナーガレージの真上に寝室や子ども部屋を配置しないようにしましょう。またシャッターは開閉音が静かなタイプを選べば音が響きにくいので、シャッターを取り付ける際は静音タイプを選んで近所への騒音を軽減しましょう。
居住スペースを削る必要がある
インナーガレージは便利なスペースではありますが、ガレージを1階部分に組み込むため、必然的に他の居住スペースは削られてしまいます。そのため、敷地面積がそれほど広くない場合は、3階建てにして縦に居住空間を確保することも少なくありません。
しかし、3階建てにすると階段の上り下りが増えたり、ガレージからの動線がコンパクトにまとまらなかったりといった問題が起こります。若いうちはそうした生活も慣れてしまえば気にならないかもしれませんが、年を重ねていくと体力が衰え、辛さを感じる場面も増えるでしょう。
インナーガレージ付きの3階建てにする際は、メリットだけでなくデメリットについてもしっかり考慮した上で検討することが大切です。
併せて、インナーガレージの耐震性で注意したいポイントについての記事もご覧ください。
インナーガレージ・ビルトインガレージの利便性をアップさせるアイデア3選
最後に、インナーガレージの利便性をアップさせるアイデアを3つ紹介します。せっかくのガレージを快適な空間にするためにも、取り入れられそうなものはないか参考にしてください。
水道・排水設備の導入
水道と排水設備があれば、インナーガレージを居室として使用する場合も利便性がぐっと高まります。ガーデニング用品を洗う場や、愛犬の足洗い場などとして利用することもでき、ガレージの使い道も広がるでしょう。
エアコン導入で一年中快適に
ガレージ内で作業をする場合は、エアコンは必須です。特に趣味の場として利用する場合は、ガレージ内の滞在時間や頻度も長くなるため、設置すれば重宝するでしょう。
電気自動車用の充電用コンセントを設置
現在の愛車が電気自動車ではないからといって、ガレージに充電用コンセントを付けない人も多いかもしれません。しかし排気ガスがなく音も静かな電気自動車は、インナーガレージとの相性は抜群です。
充電用コンセントは後付けできますが、新築時に設置したほうが工事費を抑えることができます。また、電気自動車は停電時などの非常用電源としても活躍するため、将来的な車の買い替えの可能性も含めて、充電用コンセントの設置を検討してみてもよいでしょう。
なお、トヨタホームのビルトインガレージのある家の建築実例は、こちらをご覧ください。
トヨタホームはアイデア豊富!利便性が高いインナーガレージが手に入れよう
呼び名に違いはあるものの、インナーガレージとビルトインガレージには違いがないことをお分かりいただけたでしょうか。いずれにしても、建物の一部にガレージを取り込むことにはさまざまなメリットがあり、生活の利便性もアップするでしょう。さらに使い勝手を良くしたい場合は、エアコンや水道・排水設備、充電用コンセントなどの設置もおすすめです。
インナーガレージのさらなる活用方法やアイデアについて知りたい人は、ぜひ一度トヨタホームの展示場に足を運んでみてください。トヨタホームなら、自動車製造で培った技術とガレージの利便性を高める豊富なアイデアを生かした理想のガレージハウスがきっと手に入れられるでしょう。気になる人は、カタログ請求もしてみてはいかがでしょうか。
【全国のトヨタホーム展示場を探す】https://www.toyotahome.co.jp/kyoten/?ad_cd=hometag
【カタログ請求はこちら】https://www.toyotahome.co.jp/s/catalog/list/?ad_cd=hometag