「高級感がある」「シックでモダンな見た目がかっこいい」などの理由から、近年、黒い外観をした家が増えてきました。注文住宅を検討している人の中には、黒い外観の家に憧れつつも「イメージと違った」「近所から苦情が来た」などの口コミを目にして、本当に黒い外観にすべきか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

たしかに黒い外観の家は人気ですが、デメリットもしっかり押さえたうえで建てないと、住み始めてから後悔する可能性もあるでしょう。

この記事では、注文住宅の外観を黒くするメリット・デメリットを徹底解説します。黒い外観にする際の注意点も紹介しますので、黒い外観を検討している方はぜひ参考にしてください。

黒の外観で家を建てるメリット

近年人気を集める黒い外観の家ですが、外観を黒くするのにはどのようなメリットがあるのでしょうか。メリットを4つ紹介します。

高級感が出やすい

注文住宅の外観を黒で仕上げると、高級感が出やすくなります。艶のある黒であれば洗練された印象、マットな黒であればどっしりと落ち着いた印象を与えられるでしょう。都会的でスタイリッシュなイメージの黒い外観の家は、個性あるおしゃれな存在になることでしょう。

また、外壁を黒とほかの色で組み合わせたツートンカラーにする場合、黒を1階の外壁に持ってくることで重厚感が増します。落ち着きのある家にしたいなら黒を1階にあしらった外観デザインもおすすめです。

ほかの色と組み合わせしやすい

黒い外壁は、ほかの色と組み合わせやすい点もメリットです。白、グレーと合わせたモノトーンスタイルはもちろんのこと、赤や青、緑などの鮮やかな色とも相性はいいでしょう。ほかの色を基調とし、差し色として黒を配するのもおすすめです。

屋根から外壁まですべて黒一色だと、どうしても重たいイメージになってしまいますので、ほかの色との組み合わせを前提に考えるのがおすすめです。黒とほかの色を組み合わせることで、よりスタイリッシュな外観を演出できます。

和テイストにも洋テイストにも合わせやすい

黒い外観はどのような雰囲気にもマッチする色であり、テイストを選びません。和テイストであれ洋テイストであれ、外観に黒を取り入れるとモダンでスタイリッシュな雰囲気に仕上げられます。

同じ黒の外壁でも、素材や質感を変えると表情が大きく変わります。和テイストの家なら外壁を黒漆喰にするのもおすすめです。おしゃれな古民家カフェのような雰囲気を演出できます。

また、黒と白のツートンカラーをベースにアクセントカラーを少し取り入れれば、北欧風の仕上げも可能です。

黒っぽい汚れが目立たない

常に外気と接している外壁は、しばらく経つと汚れが目立つようになります。新築時や外壁塗装の直後は汚れを弾くのでそれほど気になりませんが、前のメンテナンスから時間が経っていると汚れがつきやすくなるものです。

中でも、黒い雨だれが気になる人は多いかもしれません。これは排気ガスや雨水に含まれる炭酸カルシウムが原因で残るもので、しつこいものは落とすのも一苦労です。この点、黒い外観の家は黒い雨だれなど黒っぽい汚れが目立ちにくいでしょう。

黒の外観で家を建てるデメリット

高級感のある見た目が魅力の黒い外観の家ですが、デメリットがあることも忘れてはいけません。注文住宅の外観を黒にするかどうかは、メリット・デメリットをしっかりと比較したうえで判断しましょう。

鳥のフンなどの白っぽい汚れが目立ちやすい

黒い外壁は、雨だれなどの黒っぽい汚れが目立たない点がメリットと紹介しました。しかし、当然のことながら白っぽい汚れはかえって目立ちやすくなります。

白っぽい汚れとしてよくあるのが、砂埃や鳥のフンなどです。花粉や黄砂が飛ぶと黄色がかった汚れが外壁についてしまい、くすんだ印象になることもあるでしょう。ほかにも緑色のコケ、白っぽいカビといった汚れも目立ちやすくなります。

砂埃は水で簡単に落ち、時間が経過しても比較的落としやすい汚れのため、それほど心配はないでしょう。一方、鳥のフンはそのまま放置しておくと乾燥して落ちにくくなってしまいます。コケやカビを放置すれば、繁殖して汚れが広がってしまう危険性があるでしょう。

黒い外壁はこまめなメンテナンスを心がけ、汚れを見つけたらなるべく早めに対処することが大切です。砂埃が付着しやすい幹線道路沿いや畑の近く、鳥が生息する森や公園の近くにある家などは注意しましょう。

熱を吸収しやすい

モノがなぜ黒く見えるかといえば、幅広い波長の光を吸収し、ほとんど反射しないためです。反射した光の波長によって色が変化するので、光を反射しないと黒く見えます。つまり、黒色は光を吸収しやすく、吸収した光によって熱が生じやすいことになります。

そのため、黒い外壁は熱の吸収率が高く、白や明るい色の外壁に比べて熱を帯びやすい性質があります。特に直射日光の当たる部分は表面温度が高くなります。なかでもガルバリウム鋼板をはじめとした金属系の外壁材は熱くなりやすいため、夏場はやけどに注意が必要です。

さらに壁の断熱性が低いと夏場は室内が暑くなりがちで、空調にかかる光熱費が高くなってしまいます。冬場は黒い外壁によって熱を貯められても、壁の断熱性が低ければ外気の影響を受けてしまい、結局空調効率は下がるでしょう。後述しますが、家を黒い外観にするなら断熱性を高めるのがおすすめです。

紫外線のダメージを受けやすく、外壁が劣化しやすい

光や熱を吸収しやすい黒い外壁は、紫外線も吸収しやすいのが特徴です。紫外線は外壁塗装の劣化を引き起こすため、黒い外壁はほかの色の外壁に比べて劣化しやすくなります。具体的には、太陽光による色あせや塗装の剥がれなどの問題が生じやすいでしょう。そのため、黒い外壁の家はメンテナンス頻度が高まり、維持費が高くなる可能性もあります。対策としては、黒い壁でも紫外線に強い塗料を選ぶことで、外壁が劣化するスピードを抑えられるでしょう。

圧迫感があると近隣トラブルになることも

黒い外壁は重厚感や高級感がある一方、黒い家が近くにあると圧迫感を与えるケースもあります。特にベージュやホワイト系など明るい色合いの家が立ち並ぶ住宅街では、黒一色の家は威圧感が出てしまうかもしれません。こうした圧迫感や威圧感を理由に、場合によっては近隣トラブルに発展する事態も考えられるでしょう。黒一色ではなく、他の色や素材を組み合わせることで印象を変えることができます。

また、自治体の景観条例で建物の外壁に使える色が規定されていることがあり、地域によっては黒い外壁を使用できないケースもあるかもしれません。黒い外壁を検討する場合、建設前に景観条例をチェックするか、ハウスメーカーへ事前に確認しましょう。

黒い外観の家にする際の注意点

メリット・デメリットを比較した結果、黒い外観の家を建てたいと考える人に向け、建てるにあたって注意すべきポイントを解説します。

黒の単色使いをしない

黒ベースの外壁にする場合でも、黒の単色使いはおすすめしません。黒一色だと重苦しく圧迫感があるだけでなく、壁材の質感によってはかえって安っぽく見えてしまうこともあるからです。

無彩色の黒はほかの色と組み合わせやすいため、イメージに合う色を上手に取り入れるようにしましょう。黒がほかの鮮やかな色を引き立てる役割を果たし、より洗練された印象を演出できるようになります。

また、黒の外壁は木目のアクセントとの相性も抜群です。木目を取り入れるだけで、黒の持つ圧迫感を和らげることができます。

高断熱の家にする

前述したとおり、黒い外壁は熱を吸収しやすい性質があります。外壁から吸収された熱は室内へと伝わり、室温を上げます。黒系の壁を採用した家は白系の家に比べて1℃ほど室温が上昇するともいわれ、夏場は室内が暑くなりやすいため注意が必要です。

近年は高気密・高断熱の家づくりがスタンダードになっており、かつてに比べれば黒の外壁による室温への影響は少なくなってきました。それでも住宅の断熱性能が高ければ高いほど影響をより小さくできます。外壁を黒くするなら、高断熱な家づくりを意識すると住み心地がよくなるでしょう。

トヨタホームが提案！多彩なデザインでこだわりのわが家を実現しよう

黒い外観の家は、高級感やスタイリッシュな雰囲気を演出できることから近年人気が高まっています。黒い外壁はどのような色・テイストにも合わせやすいうえ、黒っぽい汚れが目立ちにくい点も魅力です。一方、白っぽい汚れが目立ちやすい、熱を吸収しやすいなどのデメリットも存在します。黒い外観の家を検討する際は、ここで紹介したメリット・デメリット両面を比較検討して判断しましょう。

トヨタホームでは、家族それぞれのこだわりを実現するため、黒をベースとしたものを含めさまざまな外観やプランを用意しています。また、高気密・高断熱な家づくりにより、黒い外壁でも快適な住まいが実現可能です。

実際の住まいを見て検討したい人は、お近くの展示場までお気軽にご来場ください。建築実例を見たい人には、カタログがおすすめです。こちらから無料カタログ請求をお待ちしています。

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