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2022.05.31

家賃から考える住宅購入の目安

家賃から考える住宅購入の目安

マイホームの購入を考えたとき、気になるのは住宅ローンのこと。予算を検討するうえでも、いくら借りられるのか、月々の返済はどのくらいなのか、無理なく返済を続けられるのかなど、事前に考えておきたいことがたくさんあります。今回は、住宅ローンについて、どのように検討すればいいのかご紹介します(※この記事の内容は2022年5月執筆時点のものです)。

住宅ローンの目安は?借入可能額をシミュレーションしてみよう!

マイホームの購入に欠かせない住宅ローン。住宅ローンをいくら借りられるのか、どのくらいの金額なら返済を続けていけるのか、インターネットで公開されている「住宅ローンシミュレーター」を使って計算してみましょう。

年収の何倍まで借りられる?

一般的には、「年収に占める年間の返済額の割合は30%以下が目安」と言われています。たとえば、年収400万円の場合、「400万円×30%=120万円」なので、「月々10万円の返済」が一つの目安になります。

※これをもとに計算すると、住宅ローンの借入可能額は35年ローンで年収の8.6倍、30年ローンで年収の約7.5倍、25年ローンで年収の約6.5倍となります。

※金利1.2% ・ 頭金なし・ボーナス返済なしの場合

※金利1.2%は住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」でよく選ばれている金利

計算例 (月々10万円返済・金利1.2%・頭金、ボーナス返済なし)

年収に占める年間の返済額の割合を「返済負担率」と言い、金融機関の住宅ローンの審査基準になっている基準です。この基準がどれくらいかは公表されていませんが、一般的には25%~30%が目安と言われています。ただし、家計の負担や、金融機関により基準は異なりますので、あくまでも目安程度にとどめておきましょう。住宅ローンを利用するときの参考にしてみてください

今の家賃ならいくらまで借りられる?

賃貸マンションに住んでいる人は、今払っている家賃をもとに、どれくらいの住宅ローンが借りられるのか計算してみましょう。

現在の家賃が月々10万円と仮定し、家賃分をそのまま住宅ローンの返済にあてた場合でシミュレーションしてみました。返済期間別で見ると、25年では2,590万円、30年では3,021万円、35年では3,428万円まで住宅ローンの借入ができる計算になります。この金額に頭金をプラスして、マイホーム購入の資金計画を立てていくとよいでしょう。

※計算結果はあくまでも目安です。利用するシミュレーターによって計算結果が異なることがあります。
※住宅ローンの借入可能額は、年収や勤続年数などによって異なります。

持ち家と賃貸マンション、必要な費用の違いは?

持ち家があるとさまざまな費用が必要になります。実際にどんな費用がかかるのか、主なものを賃貸マンションと比べてみましょう。

それぞれの費用を比較すると、持ち家では土地や建物に課税される固定資産税や都市計画税、火災や災害に備える火災保険の保険料、老朽化に伴う修繕費用やリフォーム費用などがあります。一方、賃貸マンションでは家賃や管理費、更新料、火災保険料、駐車場代などが必要になります。

具体的な金額は、住まいのグレードや住んでいる地域によって異なりますが、持ち家でも賃貸マンションでもそれなりの支出が必要になることがわかります。一方で、持ち家と賃貸マンションの大きな違いは、持ち家は「資産」になるという点です。万が一、まとまったお金が必要になった場合、持ち家なら売却すれば現金化することもできます。

※税金については「家購入時、その後にかかる税金全体像」にて詳しく紹介しています。

マイホーム購入時に必要な費用は?

マイホーム購入時には、さまざまな費用が必要になります。どんな費用がかかるのか確認してみましょう。

※税金については「家購入時、その後にかかる税金全体像」にて詳しく紹介しています

多くの人が利用している「令和3年 住宅ローン減税制度」もチェックしよう!

マイホーム購入時には、国が用意したお得な制度も利用できます。その中でもたくさんの人に利用されているのが、「住宅ローン減税制度」です。現在(※令和4年5月時点)の制度では原則13年間、毎年12月末の住宅ローン残高の0.7%が所得税の額から控除されます。また、所得税から控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されるため、とてもお得です。

もともと住宅ローン減税制度は、控除を受けられる期間が10年間でした。しかし消費税率が10%に改正されたのにあわせて、13年間の特例措置を導入。その後、令和4年の税制改正によって、控除期間が原則13年間に延長されました(令和7年まで)。ただし、中古住宅は従来通り、控除期間は10年となります。

さらに住宅ローン減税制度が利用できる主な要件も、以下のように変わりました。

1.新築住宅・中古住宅ともに、控除率が1%から7%に引き下げ

2.一般住宅の借入限度額が4,000万円から3,000万円への引き下げ(認定住宅などでは5,000万円)

3.住宅ローン減税制度を利用できる年収が3,000万円以下から2,000万円以下に引き下げ

4.新築住宅の床面積要件が50㎡から40㎡へ引き下げ

5.中古住宅は昭和57年以降に建築された住宅が適用対象

特に(1)と(2)が重要です。借入限度額が4,000万円で控除額が1%だったときは、年間の最大控除額は4,000万円×1%=40万円でした。借入限度額が3,000万円に引き下げられ、控除額が0.7%になった令和4年の住宅ローン減税制度では、年間の最大控除額は3,000万円×0.7%=21万円と大幅に下がっています。ただし、先述したように控除期間が原則13年間に延長されたため、トータルで考えるとお得になるケースもあるでしょう。

住宅ローンについて

※制度については「お得に家を買うための制度をチェックしよう!」にて詳しく紹介しています

無理なくマイホームを手に入れるため、ライフプランを再確認しよう

マイホームの購入前にしておきたいのは、家族の“今”と“これから”を考えたライフプランを家族間で再確認することです。たとえば、「将来的に子どもが何人欲しいのか」、「子どもの教育費がかかっても、無理なく住宅ローンの返済を続けていけるのか」などをしっかり話し合っておくことが大切です。

また、返済が長期間におよぶ場合には「収入がイメージ通りに増えていくのか」「ローン完済まで働き続けることができるのか」「定年退職は何年ごろになるのか」など、具体的にイメージしてから購入計画を立てましょう。

【まとめ】

住宅ローンを利用する際には、完済まで無理なく返済を続けられるプランを選ぶことが大切です。月々の返済額は金利や返済期間、頭金の額、ボーナス返済の有無など条件によって変わるため、事前にシミュレーションしておくといいでしょう。