建ぺい率と容積率は、間取りに大きく影響します。ビルトインガレージをつくるとしたら、両者はどのような関係があるのでしょうか?結論から言うと、建ぺい率は特に関係しません。一方の容積率は、ビルトインガレージの一部が緩和措置の対象となります。狭い敷地で居住スペースを確保したい場合など、ビルトインガレージは有効な手段としておすすめです。
この記事では建ぺい率と容積率の基本と、ビルトインガレージをつくる際の注意点について解説します。注文住宅を建てる前に、基礎知識として把握しておきましょう。
ビルトインガレージが人気!メリットまとめ
クルマが好きで「ビルトインガレージがある家に住みたい!」と考えている人は多いのではないでしょうか。屋外の駐車場と違い、ビルトインガレージなら雨風や紫外線から愛車を守ることができます。傷や色褪せの少ないキレイな状態を保てるので、将来手放さなくてはならないときにも高額査定が期待できるでしょう。
天候や時間に関係なく、自分の好きなときにメンテナンスできることも嬉しいポイントです。室内側から愛車を眺められるよう、大きな窓を設置してショールームのようにするのもステキですね。また、愛車を屋内で保管するので盗難やいたずらの心配もありません。
ビルトインガレージは実生活の面でも利便性が高く、子育て世代やシニア層にも人気です。家の中に駐車スペースがあるので、雨の日にも濡れずにクルマの乗り降りができ、たくさん買い物したときも荷物を運ぶのに苦労せずに済みます。赤ちゃんを連れての外出は、どうしても荷物が多くなってしまいます。また、足腰に不調を抱える人にとってはクルマまでの移動さえ負担になりがちです。こうした負担を解消できるのも、ビルトインガレージのメリットです。
ただしビルトインガレージにはデメリットも!
メリットの多いビルトインガレージですが、計画する際はいくつかの注意点があることを把握しておきましょう。まず、建物内に駐車スペースをつくるため、居住スペースは削られてしまいます。敷地面積によっては1階部分をすべて駐車スペースにして、2階・3階に居住スペースをつくることになります。この場合、生活動線をしっかり考えておかないと住み心地の悪い家になってしまうかもしれません。また、1階部分に広い開口をとることから耐震性にも注意が必要です。
次に注意したいのが騒音と排気ガスです。エンジンをかけるときやシャッターの開閉時に大きな音がすることは避けられません。たとえば早朝深夜にクルマを使用する場合など、家族の睡眠を妨げないような配慮が求められます。また、居住スペースに排気ガスのニオイが充満するのも防ぐため、対策が必要です。寝室を駐車スペースから離れた場所に配置したり、駐車スペースに換気扇を設置したりするなど、設計の段階で快適な居住性を確保できる工夫が大切です。
※耐震性に関する情報は2023年2月時点の情報ですので、詳しくはお近くのトヨタホーム展示場スタッフにお問い合わせ下さい。
「建ぺい率」とは?
建築基準法では、日当たりや風通しの確保、火災発生時の延焼リスクを減らすという目的で、土地ごとに「建ぺい率」を定めています。建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合を表したもので、都市計画法で定められた用途地域に応じて上限が異なります。つまり、その土地に建てられる建物の大きさの上限を示すものです。自分が所有する土地だからといって好きなように建物が建てられるわけではなく、建ぺい率の範囲内であることを意識しなくてはなりません。
建築面積は次の計算式で求められます。
建築面積(上限)=敷地面積×建ぺい率
たとえば、敷地面積30坪・建ぺい率80%の場合は、「30坪×80%」で24坪を上限とした建物が建てられることになります。建築面積(水平投影面積)とは、建物を真上から見たときに壁や柱の中心線で囲まれた部分のことです。強度を保つため1階部分の面積が広くなるのが一般的ですが、もし2階部分のほうが広い場合は2階の面積が建築面積になります。なお、軒やひさし、バルコニー(両サイドに柱や壁がない場合)などは、外壁からはみ出している部分が1m以内の場合であれば、建築面積に算入されません。
【結論】ビルトインガレージを作っても建ぺい率には影響しない
先述のとおり、建築面積は建物全体を上から見たときの最大面積です。建物の中に設置されるビルトインガレージは建築面積に含まれるため、建ぺい率への影響はありません。
では、カーポートなど建物の外にある駐車スペースはどうでしょうか?原則として、屋根と柱があるものは建築物とみなされ建築面積に含まれます。後から増築したカーポートが建ぺい率オーバーになる可能性もあるので、注意したいところです。
ただし、次の条件を満たす建築物は、端から1mの部分が建築面積から除外されます。
・外壁がない部分が連続して4m以上
・柱間隔が2m以上
・天井高が2.1m以上
・地階を除く階数が1である
基本的に、カーポートなどの増築は建築確認が必要です。また、自治体によっても判断にばらつきが生じることもあるため、DIYが得意という人も、まずは家づくりのプロに相談するようにしてください。
「容積率」とは?
容積率とは、敷地面積に対する延べ床面積(各階の床面積の合計)の割合を表す数値です。建ぺい率と同じく、住環境を保つ目的で定められた都市計画法に基づいており、用途地域によって異なります。さらに、敷地に面している前面道路の幅員によっても規制があり、用途地域の容積率と道路幅員から求めた容積率が異なる場合は、厳しいほうが適用されます。
建築可能な延べ床面積を求める計算式は次のとおりです。
延べ床面積(上限)=敷地面積×容積率
たとえば、敷地面積30坪・容積率200%の場合は「30坪×200%」で、延べ床面積60坪までの建物が建てられることになります。
なお、前面道路の幅員が12m未満の場合は、次の計算式で容積率を求めます。住居地域や住居専用地域の低減係数には0.4、その他には0.6が適用されます。
容積率=前面道路幅員×低減係数×100
前面道路幅員4mの土地の場合、「4m×0.4×100」で容積率は160%です。先述の30坪の土地では「30坪×160%」となり、延べ床面積48坪までという制限を受けます。
【結論】ビルトインガレージを作ると容積率に影響あり
ビルトインガレージは延べ床面積に含まれるため、容積率に影響します。ただし、ビルトインガレージは、家の延べ床面積の5分の1までを上限に容積率の計算から除外できるという緩和措置が設けられています。
たとえば、敷地面積30坪・容積率150%の土地に建築できる延べ床面積の上限は45坪です。ここへ9坪のビルトインガレージをつくる場合、延べ床面積(45坪)の5分の1に該当するため、容積率の計算に含めなくてよいという緩和措置の対象になります。
狭小地や容積率の低い土地に家を建てる際には、活用を検討するとよいでしょう。
ビルトインガレージを作っても固定資産税は安くなるわけではない
毎年1月1日時点の不動産所有者に対しては、固定資産税が課税されます。所有する間は納税義務が続くため、少しでも安くできると嬉しいですよね。容積率の緩和措置があることから、「ビルトインガレージのある家は固定資産税が安い」という誤解が生じることがあります。
しかしビルトインガレージにおける容積率の緩和措置は、建築基準法に基づいたものです。一方、固定資産税は地方税法に基づいて決められるため、建築基準法における建ぺい率・容積率の緩和措置との関連性はありません。自治体の判断によって異なりますが、電動シャッターなどのハイスペックな設備によっても建物の評価額が高くなり、固定資産税が高くなるケースもあります。
固定資産税を抑えたい場合は、固定資産税の軽減措置が適用されるかに着目しましょう。ちなみに、市街化区域内の不動産には都市計画税も課税されます。注文住宅では次の特例が適用できる可能性があるので、ハウスメーカーの担当者に相談してみてください(2023年4月現在)。
【固定資産税:住宅用地の特例】
税率 | 1.4%(標準) | |
土地面積 | 小規模住宅用地:
200㎡以下の部分 |
一般住宅用地:
200㎡超の部分 |
減額割合 | 6分の1 | 3分の1 |
計算方法 | 固定資産税評価額×1/6×税率 | 固定資産税評価額×1/3×税率 |
【都市計画税:住宅用地の特例】
税率 | 0.3%(標準) | |
土地面積 | 小規模住宅用地:
200㎡以下の部分 |
一般住宅用地:
200㎡超の部分 |
減額割合 | 3分の1 | 3分の2 |
計算方法 | 固定資産税評価額×1/3×税率 | 固定資産税評価額×2/3×税率 |
【新築住宅の特例】
・居住部分に係る床面積で120㎡を上限として、3年間(長期優良住宅は5年間)の固定資産税額を2分の1に減額
・令和6年3月31日まで適用
固定資産税と都市計画税は地方税のため、自治体によっては税率が異なることがあります。また、役所での手続きが必要な自治体もあるので事前に確認しましょう。
※固定資産税に関する情報は2023年2月時点の情報ですので、詳しくはお近くのトヨタホーム展示場スタッフにお問い合わせ下さい。
ビルトインガレージの疑問をすべて解決!ガレージのある住まいをトヨタホームで手に入れよう
ビルトインガレージの疑問は、設計・施工が豊富なハウスメーカーに聞いてみるのが一番の近道です。トヨタホームはビルトインガレージの施工実績が豊富で、クルマを身近に感じていたい人のためにこだわりの住まいを提案しています。気になる耐震性は独自の鉄骨ラーメン構造でしっかり確保!
さらに長年の自動車製造の技術やノウハウを活かし、家とクルマをつなぐ最先端のテクノロジーを実現しました。トヨタホームのビルトインガレージが気になる人は、どうぞお気軽にカタログ請求または展示場へご来場ください。
※耐震性に関する情報は2023年2月時点の情報ですので、詳しくはお近くのトヨタホーム展示場スタッフにお問い合わせ下さい。
【全国のトヨタホーム展示場を探す】https://www.toyotahome.co.jp/kyoten/?ad_cd=hometag
【トヨタホームを知る】https://www.toyotahome.co.jp/?ad_cd=hometag