50坪台の土地であれば、間取りや自由度の高い中庭のある家を建てられます。階数は平屋・2階建て・3階建て、中庭はロの字型・コの字型・L字型があり、それぞれを組み合わせることも可能です。一方で選択肢が多すぎて、悩んでしまう人も多いかもしれません。
そこでこの記事では、50坪台の土地で中庭のある注文住宅の事例を紹介しつつ、中庭のタイプ別で特徴などを紹介します。具体的な間取りのイメージを掴み、理想の注文住宅を手に入れましょう。
50坪の土地ってどのくらいの広さ?
1坪=約3.3㎡とすると、50坪はおおよそ165.5㎡あります。身近なもので例えるとバレーボールのコートより少し広いくらいの大きさです。しかし、所有する土地の敷地面積いっぱいに家を建てることはできません。建てられる家の広さは、土地の建ぺい率や容積率によって変わります。実際にどのくらいの広さの家を建てられるのでしょうか。
50坪の土地に建てられる家の広さとは
50坪の土地に建てられる家の広さを考える際に、建ぺい率と容積率が重要になります。どちらも都市計画法などに基づいており、上限となる数値は用途地域ごとに決まりがあります。
建ぺい率:敷地面積に対する建築面積の割合
容積率:敷地面積に対する延床面積の割合
土地50坪で建ぺい率60%、容積率200%を一例にどのくらいの広さの家を建てられるのか見てみましょう。
建ぺい率60%の場合、土地50坪×0.6%=30坪となるので、30坪以内の家なら建築が可能です。建ぺい率とは土地を真上から見たとき、敷地面積に対して建物の面積が占める割合なので、1階と2階がそれぞれ30坪でも問題ありません。そのため2階建ての家なら、1階30坪+2階30坪=60坪の家が建てられる計算になります。
しかし容積率によって、「何階建てにできるか」が変わります。容積率は、敷地面積に対する建物の床面積の合計(延床面積)の割合です。50~1300%の範囲内で設定されているケースが一般的ですが、今回のように容積率200%だと土地50坪×200%=延床面積100坪となります。
1階50坪+2階50坪=延床面積100坪の家が建てられる計算ではあるものの、建ぺい率60%で2階建てにすると、建ぺい率60%の上限である30坪に対して大きくオーバーしてしまいます。
そのため、どうしても延床面積100坪まで家を建てたいなら3階建てにして、1階30坪+2階30坪+3階30坪=延床面積90坪にするなど、それぞれの制約内に収める必要があるでしょう。ちなみに、平屋は上階がないため「建ぺい率=容積率」となります。
中庭は建ぺい率や容積率に算入されない!
建ぺい率と容積率について、敷地面積に対する建築面積または延床面積という説明をしましたが、通常、中庭は建ぺい率や容積率に参入されません。つまり、50坪の土地に家を建てる場合、建ぺい率や容積率の上限目一杯に建物を建てても、中庭をつくることは可能です。
先ほどの計算は、あくまでも建築物の制約です。建築物とは、屋根と柱・壁で構成されている必要があり、屋根のない中庭は基本的に建築面積に含まれません。ただし、中庭を屋根付きにすると建築物となり、建築面積に含まれるため注意が必要です。
建築面積への算入を避けるには、柱や壁から出ている部分を1m以下にすることが条件なので、ひさし(エントランスや窓の上に取り付ける小さな屋根)部分を短くするとよいでしょう。平屋の場合は建ぺい率ギリギリに建てても、建物の形状を工夫することで中庭もしっかり確保できます。
中庭の種類
中庭は採光や通風が確保しやすく、開放的な空間になりやすいメリットがあるものの、中庭の形状の種類によっておすすめの用途が異なります。また、中庭は建ぺい率や容積率に影響されないとはいえ、形状によっては広い敷地面積が必要になるタイプもあるので、ここで確認しておきましょう。
ロの字型の中庭
ロの字型は、四方を壁や窓に囲まれているタイプです。中庭を居室で囲む形になるため、防犯面でも安全性の高い完全なプライベート空間が手に入ります。外からの視線を気にすることなく自分の趣味に没頭したり、子どもやペットの遊び場として活用できたりするので、暮らしの充実度も高まるでしょう。
デメリットとして、強い雨が降ったときには水が溜まりやすいため、適切な排水設備を設ける必要があります。排水溝が落ち葉やゴミで詰まるのを避けるために、掃除も定期的に行いましょう。もしもメンテナンスを怠ると湿気がこもってしまい、虫が発生するリスクが高くなります。コスト面では建物に凹凸が増えるため、建築費用は3タイプのなかで最も高くなりやすい点も注意しましょう。
また、室内は中庭の周囲を移動することになるため、生活動線が長くなりがちです。敷地面積が広くないと、中庭の広さを確保しにくいデメリットもあります。ただし、3タイプのなかでは確実に道路・隣家からの視線を遮られるため、都市部などの住宅密集地でも外の視線を気にせずに屋外でゆったり過ごしたい人におすすめです。
コの字型の中庭
コの字型は、建物の一部が凹んでいる形状をしており、三方を壁や窓に囲まれているタイプです。一面が外に向き、ロの字型よりもややオープンなつくりで、完全なプライベート空間にならないものの外からの出入りが自由にできます。たとえば、外からの視線を遮りながらも、バーベキューやガーデニングなどを楽しみたい人におすすめです。
ただし、向きによっては外から見られてしまうため、近隣住宅、道路との兼ね合いを考慮して設計をする必要があります。どうしても外からの視線が気になる場合は、建物が無い面に目隠しのフェンスやルーバーを設置すると、ロの字型のように完全なプライベート空間をつくることも可能です。
L字型の中庭
L字型は二面の壁で囲むタイプで、3タイプのなかで最も中庭部分の面積を確保しやすく、間取りの自由度も高くなります。また、建物に凹凸が少ないため、ロの字型やコの字型よりも建築費用が抑えられたり、開放感を得られたりする点も魅力です。
しかし、壁で囲まれている部分が少なく開放感があるメリットは、外から見えやすいというデメリットにもつながります。駐車場や玄関とのつながりによっては、普通の庭と変わらず視線を遮りにくいでしょう。
L字型の中庭は、コンパクトな敷地でも中庭が欲しい人、できるだけコストを抑えたい人に向いています。また南側にL字型の中庭、リビングに大開口窓を設置して、より明るく開放的な空間をつくりたい人におすすめです。
【約50坪の土地】中庭のある住まいの間取り事例を紹介!
注文住宅を建てる際は、実例を確認しておくとイメージが掴みやすくなります。そこで、約50坪の土地に中庭のある家の事例を間取り付きで紹介します。
コの字型中庭のある住まい
1階はLDKを中心としたパブリックゾーン、2階は主寝室をはじめとしたプライベートゾーンに区分けした2階建ての間取りです。南向きに配置した大空間のLDKとコの字型の中庭により、日当たりと風通しのよい空間を実現しています。中庭に面する窓は大開口になっているため、大きな荷物の出し入れも容易です。
ガレージとのつながりを意識した中庭のある住まい
外壁で囲み、防犯性とプライバシーに配慮しつつ開放感を得られる間取りの事例です。中庭、ガレージ、吹き抜けが連動した大空間により、明るく開放的な間取りを実現しています。中庭とガレージを見渡すことができるリビングは、窓を開けると中庭をセカンドリビングとして活用することもできます。
ガレージとのつながりを意識した中庭のある住まいの建築実例を見る
開放感を重視した中庭のある3階建ての住まい
都市部で建築面積が限られる場合でも、家族5人がゆったり暮らせる3階建ての間取りです。2階にLDKと中庭を配置し、さらにバルコニーもあることで開放的な住まいになっています。中庭に続く窓は足元までの大きなガラスを採用しているため、窓を開けるとアウトドアリビングとしてホームパーティーにも活用できます。
光があふれるコの字型の平屋の住まい
4人家族がゆったりと暮らせる平屋の間取りです。LDKから続くコの字型の中庭は、三方向に大きな窓を設置しているため日当たりも抜群です。中庭と水回りがつながっているため、洗濯物を外干しする際もスムーズに移動できます。家事動線がコンパクトにまとまった利便性の高い間取りです。
内と外がつながる、光が溢れるコの字型の平屋の間取りプランはこちら
【注文住宅】中庭のある平屋に暮らしたい!メリットやデメリット、活用方法を紹介
中庭の間取りアイデアが豊富!トヨタホームで理想の住まいを叶えよう
50坪台の土地があれば、家族の人数にかかわらず理想の暮らしが手に入ります。今回紹介した間取りの事例を参考に、自分たちのライフスタイルに適した中庭を取り入れましょう。ただし、中庭をつくるには動線計画や居住スペースとの兼ね合い、コストの問題などから、専門知識のあるハウスメーカーを選ぶことが大切です。
トヨタホームは注文住宅の施工実績が豊富にあり、坪数に合わせた間取りアイデアをご提案できます。トヨタホームで空間活用とデザイン性にこだわった、中庭のある理想の住まいづくりを実現しましょう。気になる方はカタログ請求、もしくはお近くの展示場にお越しください。
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