住まいの空調設備としてはエアコンが一般的ですが、全館空調を取り入れる注文住宅も増えています。個別空調でスポット的に温度を調節するエアコンに対し、全館空調は年間を通じて室内を一定の温度に保つシステムです。
この記事ではエアコンと全館空調の違いを解説するとともに、住まいにまつわるあらゆる面から徹底比較していきます。注文住宅を建てるにあたって全館空調を取り入れるか悩んでいる人は必読です。
全館空調とエアコンの違い
まずは全館空調とはどのようなものなのか、エアコンとどのような違いがあるのか見ていきましょう。
全館空調・エアコンは、どちらも室内の空調システムの一種です。全館空調はいわゆる「セントラル空調」と呼ばれるもので、熱源機器を1箇所に配置し、建物全体の空調の一括運転や温度設定を行います。大規模なオフィスビルや複合施設などでは、セントラル空調が一般的です。戸建て住宅で全館空調を採用した場合、室内のどこでも快適な温度を保つことができます。
エアコンは個別空調であり、エアコンが設置された部屋ごとに個別でオンオフの切り替えや温度設定が可能です。送風機能や空気清浄機能が付いたエアコンもありますが、基本的には部屋の温度を冷やしたり温めたりする役割を果たします。
これに対し、全館空調は冷暖房機能だけが役割ではありません。家全体を一定温度に保つシステムのため、室内の空気を定期的に入れ替えるなど給排気の機能も有しています。冷暖房機能に特化したエアコンとは、役割が異なるといえるでしょう。
冷暖房機能は両者に共通するものですが、それぞれにメリット・デメリットがあります。このあと詳しく比較しますが、一概にどちらが良いとは言い切れません。
どちらを導入すべき?エアコンと全館空調を徹底比較
注文住宅を建てるにあたって、エアコンと全館空調どちらを取り入れるのが良いのでしょうか。そこで、以下ではさまざまな面からエアコンと全館空調を徹底比較していきます。ぜひ注文住宅における空調システム選びの参考にしてください。
温度設定のしやすさ
温度設定の面では、エアコンのほうが全館空調よりもきめ細やかな対応が可能です。エアコンは部屋ごとに設置するため、各部屋で個別に温度設定がしやすいのが特徴といえます。その部屋にいる人の「寒い」「暑い」という感覚によって、都度調整ができます。
対する全館空調は、原則家中を一定の温度に保つシステムです。各部屋で細かく温度を調整するのが難しく、暑がり・寒がりの人に合わせた温度調整はしにくいでしょう。
「ある人は暑がりで、別の人は寒がり」というように家族間で温度の感じ方が大きく違う家庭では、エアコンのほうが使い勝手はいいと考えられます。
快適性
次に室内の快適性の面から両者を比較してみましょう。
エアコンは設置している部屋の温度を細かく調整できるので、その部屋を快適な温度に保つのには向いています。しかし、エアコンを設置していない玄関や洗面脱衣所、トイレなどは空調が効かず、夏場・冬場は快適性に欠けるでしょう。
一方、全館空調は家中を一定の温度に保つシステムのため、室内のどの空間にいても快適な室温で過ごせるのが魅力です。冬場の気温差によって起こるヒートショックのリスク軽減が期待できるので、高齢者がいる家庭には全館空調がおすすめです。
また、お子さまやペットがいる家庭も全館空調が向いています。家中が一定の室温に保たれており、お子さんがドアを開けっ放しにしても冷暖房効率が下がらないため、ストレスなく過ごせるでしょう。
全館空調では天井裏にダクトを配置することで、24時間室内の空気を定期的に入れ替える役割も果たします。エアコンにも空気清浄機能が付いている製品はありますが、あくまでも付帯機能に過ぎず性能はあまり期待できません。
全館空調なら花粉や黄砂が室内に侵入するのを防いでくれるので、花粉症などのアレルギーを持っている人も安心して過ごせます。24時間365日清潔な空気のなかで暮らしたいなら、全館空調がおすすめです。
乾燥のしやすさ
冬場の乾燥のしやすさはエアコン・全館空調とも変わりありません。いずれも冬場は室内の温度を上げることになるため、湿度が下がって乾燥しやすくなります。どちらの空調方式を採用した場合でも加湿器の併用が有効でしょう。
ただし、エアコンは狭い部屋だと効きすぎてしまったり、どこにいても風が直接当たってしまったりする場合があります。エアコンの風によって、身体の不調を感じる人もいるかもしれません。
全館空調は家中の空気を循環させる仕組みのため、エアコンのように風が直接当たる感覚がありません。エアコン特有の風が苦手…という人には、全館空調がおすすめです。
デザイン性
続いてデザイン性の面で比較するとどうでしょうか。
エアコンの場合、デザイン性が優れた商品も各メーカーから販売されています。ただ機能性の高いエアコンほど厚みがあり、存在感が際立ってしまいがちです。加えて、エアコンを設置するには壁に穴を開ける必要があり、コンセントの位置や配管用の穴、室外機を置く位置の関係で設置場所が限られます。配管用の穴が開いていない、コンセント容量が足りないなど環境が整っていないと設置費用が追加になる場合もあるでしょう。
全館空調は屋根裏や床下などの目立たない場所に専用の室内機を設置するので、エアコンのような存在感が気になることはありません。部屋のインテリアや見た目にこだわりたい人は、全館空調がおすすめです。
さらに全館空調の場合、室外機が1台で済むというメリットもあります。エアコンの設置台数が多くて室外機の設置場所がない、外からの見た目が良くないと悩んでいる人も全館空調が向いているでしょう。
イニシャル(導入)コスト
イニシャルコストは、エアコンが比較的リーズナブルです。エアコンの相場は対応する広さや省エネ性の高さ、付帯機能の多さなどによって変わりますが、ハイグレードモデルでも30万円台で購入できます。ただし、エアコンは設置台数が多くなればなるほどトータルコストが高くなります。
全館空調のイニシャルコストは、120〜300万円程度が目安であり、エアコンに比べると高めです。相場に幅があるのは、導入する全館空調の種類や家の広さによってコストが変わるためです。
このように、空調にかけるイニシャルコストをできるだけ抑えたい人はエアコンの導入がおすすめといえます。
メンテナンス
お手入れの頻度やメンテナンスコストをできるだけ抑えたい人は、エアコンのほうが向いていると考えられます。
エアコンを毎日使っている場合、フィルター清掃を2週間に1回程度行うのが理想といわれています。カビ臭さが気になるときは1〜2年に1回程度、専門業者に依頼して掃除してもらったほうが良いでしょう。お掃除機能付きエアコンであれば、汚れが気になった段階で清掃すれば問題ありません。業者に依頼しての清掃も2〜3年に1回程度で良いでしょう。
全館空調もエアコンと同様、室内機やフィルター、床の吹出口の手入れが欠かせません。メンテナンス頻度はメーカーによって異なるものの、おおむね2週間〜1カ月が目安です。全館空調が故障すると家中の空調が効かなくなってしまうため、メンテナンスの重要度はエアコンよりも高いといえます。アフターサービスや定期メンテナンスの仕様もメーカーによって異なるので、事前にメンテナンス費用や保証内容を確かめておきましょう。
エアコンのほうが全館空調よりもお手入れの頻度やメンテナンスコストが抑えられますが、エアコンは台数が多くなるほどメンテナンスの手間やコストが増える点には注意が必要です。
トヨタホームの全館空調なら導入コストが抑えられる!その理由とは?
エアコンは、きめ細やかな温度設定がしやすい点は大きな魅力です。一方、全館空調は年間を通じて家中を快適な温度に保てるのが魅力といえます。電気代については全館空調が有利な場合もありますが、イニシャルコストやランニングコストはエアコンに軍配が上がるでしょう。
全館空調の弱みはコストの高さにありますが、トヨタホームの全館空調「スマート・エアーズ」であれば、一般的な全館空調と比べてイニシャルコストを抑えられるうえ、ランニングコストもより安く抑えられます。
「スマート・エアーズ」は上下階で空調を分けられるため、必要に応じてフロアごとにオンオフが可能です。そのため電気代が抑えられるほか、1階だけ・2階だけの使用といった部分的な運転も可能でランニングコスト削減も検討できます。
「スマート・エアーズ」を取り入れたトヨタホームの住宅が気になる方は、ぜひカタログ請求、または展示場へのお越しをお待ちしています。
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