中庭は大きく分けて「ロの字型」「コの字型」「L字型」の3種類です。中庭のある住宅を建てたいけれど、自分たちのライフスタイルに合った中庭の形状がわからないと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
特に悩みがちなのが、中庭が完全なプライベート空間となる「ロの字型」と開放感を少し感じられる「コの字型」の2つ。それぞれにメリット・デメリットがあるため、中庭で過ごすイメージや快適な空間の使い方を事前にイメージして、自分や家族に合った形状を選びたいところです。
この記事では中庭のある住宅を建てたいと考えている人向けに、コの字型が人気の理由やメリット・デメリットを解説します。トヨタホームが手がけた注文住宅の中から、コの字型の中庭を取り入れた施工事例も紹介しますので、この記事を読めば中庭のある住まいにおける暮らしのイメージがより具体的になるでしょう。
コの字型中庭のある平屋や2階建てが人気！その理由とは？
最近コの字型の中庭のある平屋や2階建ての家が人気です。その理由は、ロの字型のデメリットをカバーできるからといえるでしょう。
ロの字型の中庭は四方を建物の壁や窓に囲まれており、外から一切見えないため完全なプライベート空間になる点が大きなメリットです。一方で室内からしか中庭へ出入りできない、中庭に雨水が溜まりやすい、窓の大きさや位置によっては採光や風通しを確保しづらいといったデメリットもあります。
特に平屋でロの字型の中庭を取り入れる場合、周囲の建物が2階建て以上だと日当たりや風通しに影響が出やすいのがネックです。中庭に対する知識や経験が乏しいまま設計した結果、デザインミスにより暮らしてから後悔する人も少なくありません。
これに対し、コの字型は完全なプライベート空間にこそならないものの、ロの字型に比べると開放的で外からの出入りも可能です。1つの面が外に通じているので採光や風通しが確保しやすく、ロの字型に比べてデザインミスが少ないのも魅力といえます。加えて、ロの字型に比べて壁面積が少ないので建築費を抑えられることもあり、コの字型の中庭を選ぶ人が増えています。
コの字型中庭のメリット
続いては人気のコの字型中庭に注目し、ロの字型と比較したメリットを紹介します。
開口部があることで開放的な空間になる
コの字型は一面のみ開口部があるため、ロの字型に比べて開放感や視覚的な広がりを演出できる点がメリットです。全面を壁や窓に囲まれたロの字型ほどプライベートな空間にはならないものの、L字型や通常の庭に比べれば外からの視線が気になりません。
開放感を持たせながらもある程度プライベートな中庭にしたい人は、コの字型の中庭が向いています。
開口部の工夫次第で、プライベートな空間にもなる
コの字型は一面が外に開かれている分、土地の形状や隣地との位置関係などによって、どうしても道路や隣家から庭の中が見えてしまうケースがあります。ロの字型に比べてプライバシーが確保しづらいのが難点ですが、開口部の工夫次第でプライベートな空間と開放感を両立できるのもコの字型ならではのメリットです。
具体的には開口部にルーバーやフェンスなどの目隠しを設置します。こうすることで外との空間的なつながりを保ちつつ、外部からの視線をほどよく遮ることができるでしょう。
外との出入りが自由で利便性が良い
室内からしか出入りができないロの字型と異なり、開口部分があるコの字型は外からの出入りも可能なこともメリットです。外から直接出入りすれば室内を通らずに済むので、ガーデニングや家庭菜園として使っても室内が汚れる心配がありません。
コの字型は、ロの字型のようなプライベート空間としての使い方・通常の庭のような使い方のどちらも叶えられる、いいとこ取りの中庭といえます。
間取りの自由度が高い
コの字型の中庭は三方が建物に囲まれていれば良いので、ロの字型に比べてあまり広い土地がなくても取り入れられるのもメリットです。
また、ロの字型だと回遊動線をつくる必要があるため間取りに制限が生じます。動線が複雑になりやすく、設計難易度も高いのが難点です。対するコの字型は長方形の建物を折り曲げたような形状で比較的自由度が高いため、好みの間取りを実現しやすいという魅力もあります。
採光性や通風性に優れている
四方が囲まれているために日当たりや風通しが悪くなりやすい、というロの字型中庭のデメリットをカバーできる点もコの字型のメリットです。
コの字型は開口部分となっている一面から中庭へ日差しや風が入ってくるため、採光性や通風性に優れています。中庭に面する部分と反対側の外に面する部分に窓を設ければ、中庭を通して入ってきた風が室内を通り抜けるので、室内環境も快適になるでしょう。
コの字型中庭のデメリット
コの字型中庭にはデメリットもあるため、メリットと比較しながら検討するのがおすすめです。ただ、総じてコの字型の中庭はロの字型に比べるとデメリットが軽減されやすいといえます。
建物に凹凸が増えて建築コストが上がりやすい
コの字型中庭のある家は、一般的な四角形の家に比べると建物や屋根の形状が複雑になるため、建材費や職人による作業の手間がかかります。結果的に建築コストが上がりやすい点はデメリットです。それでもロの字型中庭のある家よりは、建築コストを抑えられます。
動線が長くなりやすい
コの字型の中庭を設けると、中庭をはさんで反対側の部屋へ移動したい場合、中庭を避けるように室内で回り道をしなければなりません。そのため部屋配置によっては動線が長くなりやすい点もデメリットです。
例えば玄関と手洗い場、リビングとトイレなど、よく行き来する空間同士が離れていると暮らしにくさを感じる原因になってしまいます。実際の生活をイメージして、頻繁に使う生活動線がなるべく短くなるよう間取りを工夫しましょう。
なお、これはロの字型中庭を設けるケースにも共通の課題です。ロの字型の場合は回遊動線を意識する必要があるので、コの字型以上に動線の工夫が必要でしょう。
中庭の排水対策が必要
コの字型の中庭は開放部分が一面あることで、四方を壁や窓に囲まれたロの字型に比べれば雨水は溜まりにくい構造です。しかし、それでもしっかりと排水対策をしておかないと、湿気がこもりやすく快適性に劣る中庭になってしまうかもしれません。
中庭にウッドデッキを設けてアウトドアリビング的に利用するのも人気ですが、ウッドデッキの下は雨水がとどまって湿気がこもりやすいので要注意といえます。ウッドデッキを設置する場合には、より万全な排水対策が必要です。
コの字型中庭のある家の建築実例
コの字型中庭を取り入れることでどのような家を実現できるのでしょうか。続いては、トヨタホームが手がけた注文住宅の中から、コの字型中庭のある家の実例を紹介します。
アウトサイドリビングとして寛げるコの字型中庭のある平屋
最初に紹介するのは、コの字型中庭を設けた平屋の事例です。中庭には一面にウッドデッキが張られており、リビングダイニングをはじめとした中庭に面する部屋からフラットにつながっています。
中央にアウトドアテーブルを設置し、視線の先に広がる豊かな自然を眺めながらゆったり過ごすのが楽しみになっているようです。一面の開放部分があるからこそ味わえる開放感を最大限生かしているのが特徴です。段差のない広いウッドデッキは、愛犬が安全に走り回れる場所としても重宝しています。
和室、リビング、ダイニングをつなげるコの字型中庭のある2階建て
2つ目に紹介するのは、コの字型中庭を間取りに取り入れた2階建て住宅の事例です。こちらの中庭もウッドデッキを張っており、面しているリビングダイニングや和室からフラットにつながっています。
コの字の開放部分には視線を遮りつつ日差しを取り込める仕切りを採用することで、中庭やリビングダイニングの採光をしっかり確保しています。日当たりの良さは植物を育てるのにも好条件です。中庭に置いたプランターでは季節の野菜を育て、ちょっとした家庭菜園とガーデニングも楽しめる場所です。
仕切りによってプライバシーもある程度保たれているので、子どものプールや家族でのバーベキューなどにも活用できる利便性の高い中庭といえるでしょう。
コの字型の中庭だからできる！おすすめの利用方法
最後にコの字型だからこそできる、中庭のおすすめ活用アイデアを2つ紹介しましょう。
二世帯住宅の緩衝地帯として
完全分離型の二世帯住宅を建てる際、2階建てで上下に分けるのではなく、平屋で平面的に空間を分ける事例も増えています。こうした平屋の二世帯住宅で生活空間を分離するとき、間にコの字型の中庭を設けることで世帯間の緩衝地帯として利用可能です。
居住部分はしっかりと分離しつつ、共有スペースの中庭ではお互いの気配を感じられるのがメリットです。2つの世帯で適度な距離感を保つことができます。
開口部をガレージとして
コの字型には開口部があるので、駐車スペースや自転車置き場としても利用できます。三方を囲まれていて防犯性が高いことに加え、各部屋から愛車を眺められるのもポイントです。車好きの人であれば半屋外のガレージのような使い方をするのも良いでしょう。
また、普段は中庭としてさまざまな用途に活用しながら、お客さんが来訪した際には臨時の駐車スペースにするという方法もおすすめです。
コの字型中庭の活用アイデアが豊富！中庭ある家づくりならトヨタホームにお任せください
大きく3種類ある中庭の間取りの中でも人気なのが「コの字型」の中庭です。コの字型はロの字型に比べるとプライバシーを確保しづらいですが、適度な採光や風通しを確保できたり利便性が高かったりと、ロの字型のデメリットをカバーできる点は大きな魅力といえます。
コの字型の弱みであるプライバシーの確保も、間取りや仕切りを工夫することで十分にクリアできます。ただし、中庭を取り入れた間取りは動線が長くなりやすいなどのデメリットもあり、設計には一定のノウハウや技術が求められるでしょう。
コの字型中庭のあるこだわりの住まいを実現したいなら、注文住宅の施工実績が豊富なトヨタホームがおすすめです。今回紹介した2つの事例以外にも、一人ひとりの暮らしに合わせた中庭の活用アイデアを豊富に提案できます。
トヨタホームが手がけるコの字型中庭のある家が気になった方は、無料のカタログ請求またはお近くの展示場へ気軽にご来場ください。
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