住宅の暮らしやすさは、居住スペースによって大きく左右されます。特に床面積が限られている3階建て狭小住宅では、どのように居住スペースを確保するかは重要な課題となるでしょう。
そんな中注目されているのが、スキップフロアです。空間を有効活用できるスキップフロアを取り入れれば実面積以上のスペースが確保できる一方で、デメリットもあるので、あらかじめ把握しておかないと後悔することもあるかもしれません。
そこでこの記事では、3階建て狭小住宅などの床面積が限られている家を建てる人に向けて、スキップフロアで居住スペースを確保する方法について解説します。スキップフロアを取り入れやすい土地の条件なども合わせて紹介しますので、よく読んでぜひ自分たちの家づくりに合っているのか参考にしてください。
スキップフロアとは?
スキップフロアとは、いわゆる各フロアに設けられた中間階のことです。壁や扉などの仕切りを設けずに空間を分けるため、圧迫感がなく部屋を広く見せることができます。
またデッドスペースを活用しやすく、効率的に床面積が増やせることもスキップフロアの大きな魅力です。これらのメリットは3階建て狭小住宅のような床面積に限りがある住宅との相性がよく、実際に多く取り入れられています。
スキップフロアのメリット
スキップフロアは、デッドスペースなどの空間も有効活用することができます。フロアが増えることでできる床下のスペースは、収納スペースとしても活躍するでしょう。
また、スキップフロアは仕切りを設けずに空間をゆるやかにつなげるため、家全体を開放的な雰囲気にできるのも大きな魅力です。違う階にいる家族の気配も感じやすく、コミュニケーションも取りやすくなります。
スキップフロアのデメリット
スキップフロアでは扉や壁を設けないため、どうしても空調効率が下がってしまう点はデメリットといえるでしょう。また、空気と同じくニオイや音も家全体に広がりやすいため注意が必要です。
さらに、必然的に家の中に段差が増えるため、将来的にバリアフリー化しようと思っても難しいことは頭に入れておきましょう。そのほかの詳しいメリット・デメリットについては、こちらの関連記事を参照してください。
スキップフロアで後悔しないために!メリットを生かしたスペースづくりを
3階建て狭小住宅にスキップフロアがおすすめな理由
スペースの限られた3階建て狭小住宅では、いかに効率よく空間を活用するかが重要です。そこでスキップフロアを取り入れれば、床下部分を収納スペースにできるため、困りがちな収納問題も解決できるでしょう。また、フロアの高さを変化させることで部屋のようにもなるため、子どもの遊び場などとして利用するのにもぴったりです。
さらに、壁やドアがないスキップフロアは圧迫感がないだけでなく、高低差が生まれることで空間が広く見えやすくなります。これらの理由から、スキップフロアは狭小住宅と相性抜群の間取りといえるでしょう。
スキップフロアを取り入れやすい土地
ここからは、スキップフロアとの相性がよい土地の特徴について紹介します。
細長い土地
15坪程度の土地に建てる狭小住宅の場合は、正方形だと間取りが限られやすく、無駄なスペースが生まれてしまいがちです。一方、細長い土地なら間取りの柔軟性が高く、設計もしやすくなります。
細長い土地に狭小住宅を建てる場合は、廊下をできるだけ設けずに縦に視線が抜けていくような間取りにするのがおすすめです。スキップフロアを取り入れれば必然的に廊下が少なくなるため、空間につながりを感じやすくなるでしょう。さらに吹き抜けをプラスして天窓などを設置すれば、部屋全体に光を届けることができます。
傾斜や高低差のある土地
傾斜や高低差のある土地に2階建てや3階建ての家を建てる場合は、どうしてもデッドスペースができてしまいます。しかしスキップフロアを作れば、無駄になりがちな1階分に満たない低い場所もガレージや収納スペースとして有効活用することが可能です。
斜線制限のある土地
住宅やビルなどが密集する都市部では、建築される建物が周囲の建築物や道路に影響を及ぼさないよう、土地に斜線制限が設けられていることも少なくありません。こうした斜線制限のある土地では、フルサイズの2階建て住宅を建てられない場合があります。
このような場合の対策としては、斜線制限の影響が出る部分を半地下にしてずらすなどの対策が有効です。スキップフロアをうまく取り入れることで、制限があっても暮らしやすい住宅を建てることも可能になるでしょう。
スキップフロアを3階建て狭小住宅に取り入れる際の注意点
続いては、スキップフロアを3階建て狭小住宅に取り入れる際の注意点について解説します。
生活動線
3階建ての狭小住宅では必然的に階段が多くなるため、生活動線や家事動線が複雑になりがちです。たとえば1階に洗濯機があり、3階のベランダに洗濯物を干す場合などは、毎日の洗濯でも階段の上り下りが増えて日常的に負担を感じることも多いでしょう。年を重ねるにつれて、暮らしにくさや辛さが増すことも少なくありません。
そのような中で設計が複雑なスキップフロアを取り入れれば、家の中にさらに段差が増えて生活動線をより複雑にするだけでなく、移動の負担を増やすことになります。なるべく暮らしやすく負担にならない家づくりをするためには、生活動線などを含めて、スキップフロアの設計が得意なハウスメーカーに依頼するとよいでしょう。
空調計画
3階建て狭小住宅は縦に細長くなりやすいため、冷暖房効率が悪くなりがちです。特に暖かい空気は上昇する性質を持つため、リビング階段を取り入れたり吹き抜けを作ったりすると、暖めた空気が上の階に逃げて下の階が寒くなってしまいます。
さらに仕切りのないスキップフロアを取り入れると、一つの空間がより広がるため、吹き抜けと同じく冷暖房の効率はますます悪化するかもしれません。特に3階建て狭小住宅は住宅密集地に建てられるケースが多く、日当たりも確保しにくいため注意が必要です。少しでも快適に過ごすためには、高断熱・高気密の家づくりを前提に、全館空調の導入も検討してみるとよいでしょう。
※全館空調に関する情報は2023年12月時点の情報ですので、詳しくはお近くのトヨタホーム展示場スタッフにお問い合わせ下さい。
耐震性
建築面積が小さい3階建て狭小住宅は高さと幅のバランスが悪く、地震などでの揺れが大きくなりやすいのが特徴です。そこに床が一体化していないスキップフロアを取り入れると、特定の壁や柱に力が集中するため地震の揺れを均等に伝えることができず、建物の破損や倒壊の可能性が高くなってしまいます。そのため、3階建ての狭小住宅にスキップフロアを取り入れる際は、安全性の観点からも耐震性が確保できる工法を取り入れるのがおすすめです。
※耐震性に関する情報は2023年12月時点の情報ですので、詳しくはお近くのトヨタホーム展示場スタッフにお問い合わせ下さい。
スキップフロアのある3階建て狭小住宅の間取りアイデア
こちらは、延べ床面積170㎡(約51坪)の3階建て狭小住宅です。1階には浴場や脱衣所、キッチンなどの水回りを集約し、2階と3階には主寝室や各居室を設けました。リビング・ダイニングはスキップフロアでつなげることで、横にも縦にも目線が広がり、家族の気配を感じやすい開放的な大空間となっています。
都市部のための3階建て狭小住宅!トヨタホームで理想を叶えよう!
空間を有効活用できるスキップフロアは、傾斜のある土地や制限のある土地でも取り入れやすく、都市部に多い3階建ての狭小住宅との相性も抜群です。ただし、家の中に段差が増えることや、空調効率や耐震性が悪化しやすいことは注意しなければなりません。
確かな品質と技術力を持つトヨタホームでは、こうした問題をできるだけ解消し、暮らしを快適にするアイデアの提案が可能です。もし、少しでもトヨタホームの家づくりが気になった方は無料のカタログ請求か、ぜひ一度お近くの展示場まで足を運んでみてください。
※耐震性に関する情報は2023年12月時点の情報ですので、詳しくはお近くのトヨタホーム展示場スタッフにお問い合わせ下さい。
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