昨今の原材料価格高騰や円安傾向の影響を受け、住宅価格の高騰が続いています。建築費を抑える観点から、コンパクトでも満足度の高い家づくりを求めて人気を集めているのが平屋です。
平屋はワンフロアで間取りが完結するので、子育て中のファミリーや高齢者にとっても暮らしやすい住まいです。なかでもL字型の平屋はコストを抑えつつ、外観にこだわりたい方に人気のタイプです。
この記事では、L字型の平屋を検討している方向けに、L字型の平屋を建てるメリット・デメリットを解説します。また、トヨタホームが手がけた建築事例から実際の間取りプランを紹介しますので、L字型の平屋づくりの参考にしてください。
L字型の平屋とは?
平屋の建物形状は上空から見たときの形に応じて、おもに「I型」「L字型」「コの字型」「ロの字型」の4タイプがあります。
なかでも高い人気を誇るのがL字型の平屋です。L字型の平屋とは、文字どおり上空から見た形がL字状になっている平屋を指します。一般的な四角い形の住まいよりも複雑な形状をしているため、デザイン性やプライベート感、採光や通風性を確保しやすいなど魅力が満載です。
L字型の平屋を建てるメリット
4タイプある平屋形状のなかでも人気の高いL字型の平屋には、どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
デザイン性の高い外観に仕上がる
L字型の平屋はデザイン性の高い外観に仕上げやすい点が魅力です。一般的な長方形や正方形の平屋はシンプルな形状であるがゆえに、デザインを工夫しないと単調でのっぺりとした印象になってしまいます。対してL字型はもともとの形状にメリハリがあるため、こだわりのある個性的な外観になりやすいのです。
L字型で庭やテラスなどの外部空間を建物内に取り込めば、開放感のあるおしゃれな外観も実現可能。同じく外部空間を建物内に取り込みやすいコの字型やロの字型に比べると凹凸が少なく、2タイプと比較すると建築コストを抑えられるでしょう。
中庭がつくれる
L字型にすると、建物に囲まれた部分ができるので中庭を設置できます。建物の配置を工夫すれば、外からの視線を遮ったプライベートな中庭にすることも可能です。L字型の平屋はロの字型やコの字型ほど広い敷地を必要としないため、比較的狭い敷地に建てる平屋で中庭がほしい場合でも採用しやすいでしょう。
奥行きのある土地や通行量の多い道路に面している土地の場合、道路側と反対側に中庭がくるようレイアウトを考えれば、コの字型やロの字型よりも広いプライベートな中庭をつくれます。
変形地でも対応しやすい
L字型の平屋は、正方形や長方形の平屋だと活用しにくい、間口の狭い土地や高低差のある変形地などにも建築しやすいというメリットがあります。L字型は土地の形状に応じて各辺の長さを調整できるので、複雑な土地形状でも融通が利きやすい点が特徴です。住宅用地としては避けられがちな旗竿地、三角形や台形の土地などでも、L字型の平屋なら有効活用できるでしょう。
変形地は家の建設が難しいことから需要が低く、一般的には売れにくいものです。ニーズの高い整形地に比べ、変形地なら同じエリアでも土地を安く購入しやすいという利点もあります。
空間をゾーニングしやすい
L字型の平屋は縦と横の辺部分に合わせて、自然と空間を分けることができます。例えば、横の空間にLDKや水回りといった家族が共有するスペースを設置し、縦の空間にそれぞれの寝室や居室といった個人の空間を配置すれば、プライベートスペースと共有スペースを簡単に分けられるでしょう。
間取りを検討するにあたって、空間のゾーニングに悩む必要が少なく、スムーズに間取りを決められるかもしれません。
採光や通風を確保できる
1階のみでフロアが完結する平屋は高さがない分、日当たりや風通しが課題となるケースがあります。特に長方形や正方形の平屋は、北側や建物の中央部にある部屋に光や風が届きにくいのがデメリットです。
これに対し、L字型の平屋はさまざまな方角から自然光や風を取り込めるため、室内全体のを明るく風通しのよい空間にできます。中庭を設置して、面する部分に大開口窓を設ければ部屋の奥まで明るい日差しが届くでしょう。窓を設置できる面が多いため、開放感のある住まいをつくりやすいという魅力もあります。
L字型の平屋を建てるデメリット
正方形や長方形の平屋の持つ課題をクリアできるL字型の平屋ですが、次に挙げるデメリットがあることもしっかり認識しておきましょう。
間取りの自由度が低くなる可能性がある
L字型の平屋の間取りでは、部屋ごとの間取りの自由度が低くなる可能性があります。
一般的には、それぞれのライフスタイルや家族構成に合わせた部屋数や間取りを決めていきます。しかし、L字型の平屋の場合は、部屋の大きさや数、配置などが限定されてしまう場合があります。
※L字型の平屋の間取りに関する情報は、2024年1月時点の情報ですので、詳しくはお近くのトヨタホーム展示場スタッフにお問い合わせ下さい。
I字型の平屋よりもコストがかかる
家の形状が複雑になるほど、外壁が増えるので塗装代が高くなるほか、屋根の形状も複雑化するので建築コストが高くなります。L字型の平屋は、コの字型・ロの字型に比べれば建築費を抑えられるものの、シンプルな形状のI字型平屋と比較すれば建築コストが高くなりやすいでしょう。
L字型の平屋がおすすめなタイプ
L字型の平屋にはメリット・デメリットの両面があります。どういった人がL字型の平屋に向いているのか具体的に見ていきましょう。
二世帯で暮らしたい人
L字型の平屋はゾーニングがしやすいため、二世帯住宅を希望している人に向いています。
L字型の中央に、家族全員が共有するLDKや水回りを配置しましょう。その両端にそれぞれの世帯の居室を設置すれば、共用部を境にして世帯ごとの空間を緩やかに仕切ることができます。L字型に沿った中庭部分にウッドデッキを設置すれば、世帯間の程よい距離感を演出する緩衝地帯になるでしょう。
ガーデニングや家庭菜園、アウトドアを庭で楽しみたい人
どの部屋からも庭へ簡単に出ることができるL字型の平屋は、ガーデニングや家庭菜園など日中は土いじりを楽しみたい人にもおすすめです。
中庭にウッドデッキを設置して室内とフラットにつなげれば、アウトドアリビングとしても利用できます。中庭にタープを張ったりテントを設置したりすれば、気軽なおうちキャンプも可能です。アウトドア好きな人も満足できる住まいになるでしょう。
建築コストをできるだけ抑えつつもおしゃれな平屋を建てたい人
プライベートな中庭がほしいからといって、コの字型やロの字型の平屋を建てようとすると建築コストが高くなってしまいます。建築コストをできるだけ低く抑えつつ、適度なプライベート感の中庭があるおしゃれな平屋を実現したい人にも、L字型の平屋がぴったりです。
コの字型やロの字型のように完全にプライベートな中庭を実現するのは難しいものの、程よいプライベート感と解放感を両立した気持ちのよい室外空間が叶います。
L字型の平屋の建築実例
ここからは、トヨタホームが手がけた注文住宅のなかから、L字型平屋の建築事例を2つ紹介します。平屋のマイホームを検討している人は参考にしてください。
【30坪台4LDK】落ち着きのある和モダンがテーマの平屋
最初に紹介するのは、延床面積33.87坪(111.97m2)・4LDKの平屋です。リビング(スマート和室)・ダイニングと玄関・和室にかけてL字状になっており、L字の内側にあたる部分を玄関としています。
リビング(スマート和室)からは、テラスへと繋がっており、緑や庭を眺めながら癒しを感じられるようにしました。また、隠せる、キッチン収納など、随所に工夫を施しているところもポイントです。
【40坪台4LDK】空と緑に映えるアメリカの邸宅をイメージした平屋
次に紹介するのは、延床面積40.42坪(133.65m2)・4LDKのL字型平屋です。
リビングと主寝室の庭に面する部分に開口窓を配置し、そこに沿って長く続くウッドデッキを設けています。ウッドデッキが縁側のような役割を果たし、プライベートな庭で遊ぶ子どもたちの様子をいつでも見守ることが可能です。
また、美容師の奥様が自宅で開業できるよう、自宅内に店舗スペースを設けているのも特徴といえます。住まい部分のL字からさらに独立した配置になっており、パブリックな空間とプライベートな空間が明確に区切られています。
機能性とデザイン性を兼ね備えたL字型の平屋をトヨタホームで手に入れよう
L字型の平屋はこだわった外観に仕上げやすいことに加え、プラベート感のある中庭を設置できたり、平屋で課題になりやすい採光や風通しの確保が容易だったり、多くのメリットがあります。その反面、建築コストやメンテナンスコストが割高になる点は注意が必要です。
L字型は間取りの配置に工夫が求められるため、豊富なアイデアや経験を持つハウスメーカーや工務店に施工を依頼すべきでしょう。また個性的な形状を活かし、おしゃれな外観に仕上げるデザイン力も求められます。機能性とデザイン性を兼ね備えた平屋こそ、満足度の高い住まいといえます。
これまでに数多くの平屋の注文住宅を手がけてきたトヨタホームなら、機能性もデザイン性も兼ね備えた、快適でおしゃれなL字型の平屋を実現可能です。豊富な間取りアイデアをもとに、お客様ごとの細かな要望にも応えています。
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