家を建てるときに注意したいポイントのひとつに「収納」があります。せっかく家を購入したのに、「収納場所が足りない!」と後悔した経験がある人は少なくありません。快適な暮らしのためにも、設計の段階から収納を意識した間取りにすることが大切です。今回は、収納を考えた住まいづくりで、押さえておきたいポイントをご紹介します。
家を建てた方の39%が「収納についてもっと考えればよかった」と回答
家を建てた後で、収納について後悔している方は意外と多いのです。全国で5年以内に注文住宅を建てた先輩施主161人に間取りの「トホホな失敗」を聞いたところ、39%が「収納について後悔した」と答えていました。
収納に関する失敗談
「モノがあふれ、いつも部屋が散らかってしまう」「大きな収納を作ったのに、うまく使いこなせていない」「しまったはずのモノがどこにあるかわからなくなった」「必要以上に収納空間を設けてしまい、住空間を圧迫している」
快適な住まいづくりでは、衣服や寝具類、食品ストックなど、さまざまなモノをうまく収納するスペースを確保するのがポイントです。しかし、ただ収納を大きくすればいいというものではありません。モノを“出す・使う・しまう”こと全体をイメージして、どこにどんな収納が必要なのか、設計段階から組み込むことが大切です。
10年後・20年後も快適に暮らせる収納計画が大切
さらに、持ち家マンションまたは戸建てにお住まいの方2400人に、現在の住まいのどんなところに不満を感じているかを調査したところ、3人に1人が「収納スペース」と回答し、住まいの不満ランキングのトップになりました。
なぜ多くの人が収納に不満を感じてしまうのでしょうか。原因として、家族構成の変化を考えずに家を建ててしまったことが挙げられます。結婚や出産、子どもの成長など、家族が増えることで必要なモノが増え、収納スペースが不足することが多いようです。しかし、収納スペースを増やしすぎると、住空間が圧迫されるだけでなく、モノをため込んでしまい、暮らしの中に“開かずの収納スペース”ができてしまう可能性もあります。
では、どうすればいいのでしょうか。大切なのは、あらかじめ収納計画を立てておくこと。家族のカタチやライフスタイルが変わっても、快適に暮らしていけるように収納計画を立て、間取りを作る段階から反映させておくといいでしょう。
収納計画に必要な3つの要素は“場所・カタチ・量”
長く快適に暮らしていくためには、“場所・カタチ・量”それぞれの視点から収納計画を立てるのがポイントです。
「場所」を意識した収納計画
どこにどんな収納があったらいいのか、場所を意識して収納計画を立てるときは、家族の動線に配慮すると使いやすくなります。「だれが×どこで×何をするか」をイメージして、ふさわしい場所に最適な収納を計画しましょう。
例)「子どもが×ダイニングで×宿題をする」
子どもが学校から帰ってきてダイニングで宿題をする場合、勉強する机のそばにランドセルを置ける収納があると便利です。
例)「奥様が×買い物から帰って×キッチンに行く」
買い物から帰ってきた奥様が、まっさきにキッチンへ向かう場合、買い物袋を置くのは廊下からキッチンの間。この場合、パントリーは、廊下からキッチンの間に設けると便利です。
「カタチ」を意識した収納計画
収納は、収納するモノのカタチ・サイズによって決まります。収納計画を立てるときは、モノの奥行や高さなどを考慮して、収納スペースを作りましょう。
例)
・扇風機やストーブなど、季節モノの家電を収納するスペースを用意する
・毎日使う食器を見せる収納にする場合は、台所に飾り棚を設置する
「量」を意識した収納計画
収納計画を立てるときは、モノの量に合わせた間取りにするのがポイント。一般的に、収納スペースは床面積の12%~15%が目安といわれています。あらかじめ必要なモノの量を把握して、最適な収納スペースを考えましょう。
収納のテクニック 見せる収納・隠す収納を活用しよう”
収納には“見せる収納”と“隠す収納”があり、うまく使い分けると収納のスキルがアップします。
見せる収納のポイント
いつも使うものは見せる収納がおすすめです。おしゃれな雑貨に興味がある人や飾るのが好きな人は、見せる収納をうまく取り入れると素敵な空間を演出できます。ただ、飾るときにテイストを統一するなど、ちょっとした工夫が必要です。統一感がないと散らかって見えるので注意しましょう。
隠す収納のポイント
普段あまり使わないものは隠す収納がおすすめです。見える範囲にモノが少なくなるため、空間を広く感じ、すっきり見せることができます。ただ、ラベリングなどをしてうまく収納しないと、どこに何があるかわからなくなってしまうので注意が必要です。
【まとめ】
快適に暮らすためには、生活に必要なモノを上手に収納することが大切です。マイホームを手に入れてから後悔しないよう、設計段階から収納を意識した間取りを検討してくださいね。