平屋の住宅は、生活空間がフラットで移動しやすいことから近年人気を集めています。しかし広さが限られる平屋では居住スペースの確保を優先するあまり、収納スペースの確保が後回しとなり「収納スペース不足」が問題になるケースも少なくありません。
収納スペースの充実度は暮らしやすさに大きく関わる要素であり、快適な生活を送るには十分な収納を設置する必要があります。
この記事では、平屋のマイホームを希望しつつも収納スペースの確保に頭を抱えている人向けに、収納スペース解消につながる間取りアイデアを紹介します。トヨタホームが実際に手がけた収納豊富な平屋の建築事例も紹介するので、この記事を読んで快適な平屋暮らしのイメージを固めていきましょう。
暮らしやすい平屋の収納率は?
そもそも、どれくらいの収納スペースがあれば快適に暮らせるのでしょうか。一般的に、快適な生活に必要な収納率(床面積に対する収納スペース面積の割合)は、マンション8〜10%・戸建て13%程度といわれています。
たとえば、延べ床面積37坪の家であれば、37坪×13%=4.81坪分の収納スペースが必要となります。1坪は畳2枚分・およそ3.3㎡なので、4.81坪×畳2枚分≒約10畳分の収納スペースは最低限確保しないと、収納不足に陥る可能性ありと考えられるでしょう。
平屋は収納場所として活用できる外壁面や間仕切り壁が床面積に対して少なく、間取り面からも収納が取りづらい側面があります。平屋で約10畳分の収納スペースを確保するには間取りの工夫が必要です。
失敗しない!平屋の収納ポイント
平屋の収納で失敗しないためには、次に紹介する収納スペースについてのポイントを押さえるようにしましょう。
デッドスペースをフル活用する
収納スペースを確保するために、必要な居住スペースを削減してしまうと使いづらい家になってしまうかもしれません。スペースが限られる平屋で収納を確保するには、設計やプランの関係でどうしてもできてしまうデッドスペースを積極的に活用しましょう。
住宅におけるデッドスペースとしては、主に階段下や屋根裏スペース、壁面などが挙げられます。階段がない平屋で活用すべきは「屋根裏スペース」です。
平屋は2階がない分、天井の高さを自由に変えやすいという特徴があります。天井を高くしたうえで勾配天井にすれば、広い屋根裏スペースの確保が可能です。スキップフロアやロフトを取り入れれば、居住スペースも収納スペースも確保できるでしょう。スキップフロアをつくるとスキップフロア下がデッドスペースになるため、ここを新たな収納スペースとして利用することもできます。
ただし、天井高を1.4m以下にするなど、延べ床面積に含まれないよう一定の要件を満たしておく必要があります。要件から外れて居室扱いになると、容積率の制限にかかったり、固定資産税評価額がアップしたりする可能性があるため注意しましょう。
家族の生活動線に合わせる
平屋はワンフロアのみで生活が完結するため、生活動線がシンプルで移動しやすい点が魅力です。収納スペースも家族の生活導線に合わせることで使いやすくなります。やみくもに収納スペースの広さだけ確保しても、使い勝手が悪い配置だと活用しづらくなる可能性もあるでしょう。
たとえば、帰宅後すぐに着替える習慣のある人なら、主寝室よりも玄関や洗面脱衣室にクローゼットがあったほうが便利です。収納スペースを確保するため主寝室に大容量のウォークインクローゼットを設置したとしても、玄関からの距離が遠いと毎回の移動距離が長くなり使いづらく感じるかもしれません。
また「いったん外に出たものの、思ったより寒かったので上着を取りに戻る」といったケースでも、玄関からクローゼットまでの距離が長いと不便です。特に子どもがいる家庭では、上着をすぐに取りにいけるよう、玄関近くに簡易的なクローゼットを設けておくと使いやすいでしょう。
平屋の収納スペース不足を解消する間取りアイデア7選
上記のポイントを踏まえ、平屋の収納スペース不足解消に効果的な間取りアイデアを7つ紹介します。
スキップフロア・ロフト
平屋の天井を高くして屋根裏スペースを設け、スキップフロアやロフトを収納スペースとして活用すれば、収納不足解消につながる可能性があります。
スキップフロアとは、各階の中間に設けられる「1.5階」「2.5階」にあたるフロアのことです。平屋にスキップフロアを採用すると、平屋でありながら複数フロアある状態となり、居室としても収納スペースとしても利用できます。スキップフロアは居住スペースとして使い、フロア下に生まれるデッドスペースを収納としてもよいでしょう。
ロフトは延べ床面積に算入されないのがメリットですが、天井の高さを1.4m以下にすることなど要件があるために使い方の制約が生じます。普段あまり使わないものの収納スペースにするのもおすすめです。
床下収納
床下収納も平屋の収納問題に有効なアイデアです。元の床の下に収納を設けても良いですが、ここでおすすめしたいのが床自体の高さを上げて小上がりにし、元の床と小上がりの床との間のスペースを床下収納にする方法です。この方法なら居住スペースを潰さず、生活動線から近い場所に収納を設けられます。
高低差のある土地に建てる平屋なら、地下部分に大容量の床下収納を設けてもよいでしょう。
パントリー
近年、パントリーを設置する住宅も増えています。パントリーとは食材や飲料のストック、キッチン周りの道具などを収納しておくスペースのことです。まとめ買いした食材などを収納できるだけでなく、災害対策の家族用食料備蓄庫としての役割も果たします。
洗面脱衣室とキッチンの間、玄関とキッチンの間などにパントリーを設けると、買い物帰りにすぐ買ってきたものを収納できて便利です。特に、玄関とキッチンの間にパントリーがある間取りは買い物に出かける前にストックのチェックがしやすく、利便性の高い間取りといえます。
シューズクローク
平屋暮らしを快適にしてくれる収納スペースとして、シューズクロークの設置もおすすめです。シューズクロークという名前ですが収納するのは靴だけに留まらず、お出かけグッズやベビーカー、除雪道具、アウトドア用品など外で使うものを収納できるスペースです。
玄関からリビングやキッチンに通り抜けられるウォークスルータイプだと動線がスムーズですが、スペースを広めに取らなければならない点は要注意といえます。面積を節約したいのであればウォークインタイプがおすすめです。4人家族の場合、2畳ほどのスペースを確保しましょう。
土間収納
土間収納も外で使うアウトドア用品、ゴルフバッグなどを置いておくのに便利なスペースです。シーズン以外は使用しないストーブや扇風機などの季節家電、使用頻度の少ない脚立や灯油缶など、室内の収納スペースに入れるのは抵抗感があるものの収納スペースとして活用できます。床を水洗いできるので、土汚れのつきやすいアイテムの収納にも適しています。
またハンガーラックなどを設けて、コートや帽子をかける簡易クローゼットとして用いるのもおすすめです。
ファミリークローク
家族全員の衣服などをしまっておくファミリークロークも、平屋で検討したい収納スペースの一つです。洗面脱衣室の近くに設置すれば、入浴前にすぐ着替えを取り出せるうえ、洗濯済みの服をスムーズにしまうことができます。
家族の人数が多いと朝など渋滞しやすいため、ウォークスルータイプにして複数動線を確保するのがおすすめです。
ファミリークロークの広さは1人当たり1畳が目安です。着替えもできるようにするなら、家族人数×1畳に加えてもう1畳確保するとよいでしょう。4人家族であれば4畳+1畳=5畳程度あれば十分な収納を確保できます。
壁面収納
面積が限られるなかで収納スペースを確保するには、デッドスペースになりやすい壁を壁面収納にするのが効果的です。壁面収納の収納力は使える壁の面積に比例するため、天井までの高さをどれだけ有効に使えるかが肝心です。
ただ、高すぎるところの収納は使い勝手が悪くなることに加え、置くものによっては地震で落ちてくるなど安全性も課題になります。何を収納するのかイメージし、主に誰が使うのか、使う頻度はどれくらいかを考慮して収納の規模を決めましょう。
たっぷり収納がある平屋の建築事例
ここからは、トヨタホームが実際に手がけた収納の多い平屋の建築事例を紹介します。
玄関クローゼット&ファミリークロークのある平屋
次に紹介する平屋では、ファミリークロークを設けています。リビングダイニングと家事室の間に設けられたファミリークロークは、家事室で洗濯したものをそのまましまえる便利な動線です。リビングダイニングから直結しているので、ファミリークロークで着替えてそのまま出かけることもできます。
生活動線を極力短くする収納の工夫が、生活上のストレスを軽減してくれるでしょう。
使い勝手抜群!大容量の収納スペースがある平屋
1つ目に紹介するのは生活動線を徹底的に意識した、使い勝手の良い大容量収納スペースが特徴的な平屋です。注目すべきポイントは2つです。
1つは、キッチンから水回りを抜けて主寝室に抜ける動線に設けられたタンスコーナーです。制服・下着・タオル類などをしまえるようになっていて、室内干しした洗濯物をしまう際も、入浴前にタオルや着替えを取る際も、コンパクトな移動で済みます。
もう1つは、玄関に設けた大容量のシューズクロークとクローゼットです。外で使うものや季節ものを、室内に持ち込まずにまとめて収納できるのが魅力といえます。生活動線に配慮した収納スペースが、平屋の快適な暮らしにつながっている好例です。
トヨタホーム独自の鉄骨ラーメンユニット構造で叶える、収納力のある平屋!
収納不足が問題になりやすい平屋においては、デッドスペースの活用や家族の生活動線を意識した収納スペースの配置が求められます。今回紹介した2つの事例を参考に間取りアイデアを上手に取り入れて、快適な平屋暮らしを叶えてはいかがでしょうか。
平屋で収納を確保するには、いかに空間を有効活用するかも重要です。トヨタホームなら、建物を横方向に広げることなく、スキップフロアやロフトを取り入れて縦方向の空間を確保する平屋を実現可能です。ゆったりとした居住スペースだけでなく、十分な収納力を備えた収納スペースも設置できます。
スキップフロアを用いた平屋は、用途に合わせたさまざまな収納スペースを設けることで、収納率は従来の平屋よりも20%以上高い35%を実現しています。
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