注文住宅を新築するにあたり、暮らしやすさを大きく左右するのが収納スペースです。収納をうまく取り入れると快適性が大きく向上するものの、使いやすい収納でなければ意味をなしません。また収納が重要だからといって、居住スペースを圧迫してまで収納スペースを確保しようとすると、逆に暮らしにくさを感じる要因にもなりかねないでしょう。
注文住宅を新築する際には、「デッドスペース」と「生活動線」という2つのコツを押さえて収納スペースを確保することが成功への近道です。
この記事では、住まいの箇所別にどんな収納スペースを確保すべきか解説。併せて、使い勝手のいい収納スペースやおすすめの間取りアイデアも紹介します。この記事を読めば、どんな場所にどんな収納スペースを作るべきなのか、適切に判断できるようになるでしょう。
まず押さえておこう!注文住宅に必要な収納スペースの目安
注文住宅の間取りを考える際、どれくらいの収納スペースがあれば理想的なのでしょうか。
家に必要な収納面積を検討するうえで知っておきたい指標が「収納率」です。収納率とは、家の床面積に対する収納スペースの割合のことで、「収納スペースの面積÷家の床面積×100」で計算できます。
一般的な収納率はマンションで8〜10%、戸建てで10〜15%といわれています。建売住宅においても、収納率12〜13%を目安に設計するのが一般的です。
例えば、30坪の注文住宅を建てる場合、3〜4.5坪程度の収納スペースがあれば問題ないことになります。畳数で考えると3坪=5〜6帖程度、4.5坪=8〜9帖程度なので、5〜9帖程度の収納スペースを設けるのが目安です。
ただ、この広さはあくまでも一般的な目安に過ぎません。家族構成や収納品の多さ、住宅にかけられる予算額に応じても、理想的な収納の広さは変わってくるでしょう。
【場所別】収納スペースの作り方&おすすめの間取りアイデア
収納スペースは広ければ広いほどいいわけではありません。使い勝手も考慮する必要があります。ここではリビングやキッチン、洗面脱衣室、玄関、屋根裏など住宅の場所別に、どのような収納スペースが適しているのか解説します。
リビング
家族が最も多くの時間を過ごすリビングは、家事用品や掃除用具、子どものおもちゃなど細々としたアイテムが集まる場所です。その割にリビングは収納が少なく、なかなか片付かずにストレスを感じる人も多いのではないでしょうか。
しかし、リビングに収納スペースを増やすほど便利になるかといえばそうではありません。リビングは家族がくつろげるスペースとしての機能が最優先ですが、収納スペースを確保しようとすると、その分居住スペースが圧迫されてしまうからです。
リビングで重要なのは過ごし方をイメージし、動線や使い方を十分に考慮した収納計画を立てることです。例えば、アイロンがけをリビングで行うつもりなら、アイロンやアイロン台などの一式を収納する場所がリビングにあったほうが便利でしょう。小さなお子さんの遊び場をリビングの一角に設けるなら、おもちゃや絵本の収納スペースも近くに設けたいところです。
こうした収納スペースを設けるとき、闇雲にスペースを費やすのではなく、リビングこそデッドスペースを活用できないか考えましょう。1ヶ所あたりの収納容量は小さくなりやすいですが、居住スペースを圧迫しません。
壁面一面を見せる収納にする、リビングの階段下を収納スペースにする、小上がりを設けて下部を収納にするなどの方法が考えられます。一角に1.5階のスキップフロアを設置して、その下のデッドスペースを収納スペースに利用してもよいでしょう。リビングに納戸やクローゼットのような物入れスペースがあると、急な来客時にもすぐしまえて便利です。
キッチン
最近では便利なキッチン家電が増えており、キッチンは以前よりも収納場所の確保が難しくなっています。ホームベーカリーや自動調理器、コーヒーメーカー、電気圧力鍋、フードプロセッサーなど、さまざまな調理家電を収納するスペースが必要です。こうした家電類を置いて置く場所としておすすめなのが、キッチン横に設置するパントリーです。
パントリーを広めに作れば、食品のストックや普段使わない食器はもちろんのこと、キッチン周りで使用する大きなアイテムを収納できるようになります。リビング収納と同様、急な来客時の片付け用としても重宝するでしょう。
また、玄関とキッチンの間にウォークスルータイプのパントリーを設けておくのもおすすめ。買い物前にストックをチェックし、帰宅後すぐに収納してキッチンに向かうという流れができるので利便性がアップします。
玄関
玄関に収納を設置する際は、家族全員分の靴が収納できることは前提として、加えて傘やお子さんの外遊び用アイテム、自転車やアウトドア関連のアイテムなどもしまっておけると利便性がアップします。
玄関から土間続きになった大型シューズクロークがあれば、上記のようなアイテムを一括でしまっておくことができて便利でしょう。土間は土汚れにも強いので、外で使ったものでも汚れを気にせずに置いておけます。シューズクロークの入口に引き戸を設置すれば、来客時の目隠しにもなるのでおすすめです。
先ほど紹介したパントリーの応用として、2ヶ所から出入りできるウォークスルータイプのシューズクロークを設置するのも利便性アップに効果的。片方をキッチンとつなげれば、使い勝手のいいパントリーとしても機能するでしょう。
ウォークスルーのシューズクローゼットにハンガーパイプを設置し、簡易的なクローゼットとして使えば、帰宅後にすぐ上着を脱ぐことができます。アウターに付着した花粉などを室内に持ち込まずに済むので、室内環境がより快適になります。
洗面脱衣室
洗面脱衣室の収納で最低限求められるのは、タオルやバスアイテムをしまっておけることです。
最近では、それに加えて家族全員分の下着や部屋着も洗面脱衣室に収納する例が増えています。これらの入浴後に必要なアイテムがそろっていれば、自室からわざわざ持ってくる必要がありません。洗濯後も1ヶ所の収納にまとめてしまっておけるので、各部屋に行く手間も省けます。
さらに、洗面脱衣室に洗濯機や物干しを設置した、洗面脱衣室兼ランドリールームの間取りが最近のトレンドです。「洗う・干す・しまう」という洗濯の全作業をそこで完結できるため、家事効率が格段に向上するのがメリットといえます。隣接してファミリークローゼットを配置すれば、居室の収納まで行く必要もなくなります。
屋根裏
片流れ屋根、寄棟屋根、切妻屋根などの角度がついた屋根を採用すると、天井との間に隙間が生まれます。この屋根裏スペースはデッドスペースとなるため、上手に活用すれば大容量の収納スペースを確保できます。
空間の活用方法としておすすめなのが「ロフト」です。建築基準法で「床から天井までの高さが1.4m未満」かつ「広さが直下フロアの1/2以下」のロフトは容積率算出から除外されます。容積率に含まれないため、居住スペースを圧迫することなく別に大容量のスペースを設けられるのです。なお、自治体によっては固定はしごの設置がNGとされるケースもあるため事前に確認しましょう。
場合によっては収納のみならず、ちょっとした書斎やベッドスペースとして使うこともできます。
ロフトと似たような空間として「小屋裏収納」が挙げられます。ロフトは、天井が高い居室の一部分に設けられたフロアを指すのに対し、小屋裏収納は天井裏にできた空間を活用した収納スペースのことです。使用頻度の低いアイテムの収納場所としては便利ですが、天井に隠れて下の階から見えず閉鎖的な空間になるため、居住スペースとしての活用は難しいでしょう。
場所によって適した収納スペースは異なる!迷ったらトヨタホームに相談してみよう
注文住宅の住みやすさを大きく左右するのが収納スペースです。収納が多いほど多くのものをしまっておけますが、使い勝手が悪いと意味がありません。注文住宅で収納を検討する際は「何をしまう収納なのか」「どういった場面で出し入れするのか」など、収納物や使い方をしっかりイメージしたうえ、場所ごとに使い勝手のいい収納を設置するのがおすすめです。
トヨタホームは注文住宅の施工実績が豊富で、住宅のどこにどのような収納があれば生活しやすいかという視点に長けています。シューズクロークやウォークインクローゼットを設置したり、キッチンパントリーや階段下収納を活用したりして収納力をアップし、住まいを快適かつ美しく保つ方法をご提案します。
すでにある床面積を有効活用するだけでなく、スキップフロアやその下のマルチ収納、ロフト収納など、デッドスペースを活用したプラスαの空間づくりも得意です。
使いやすい収納が充実した、美しく住みやすい注文住宅を建てたいと考える方は、トヨタホームへお気軽にご相談ください。まずはカタログ請求、もしくはお近くの展示場へ直接お越しください。理想の注文住宅づくりを全力でサポートします。
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