親世帯と子世帯の二世帯に、祖父母世帯などもう一世帯がプラスされた三世帯が暮らす家を「三世帯住宅」といいます。三世帯といっても祖父母に限らず、「親世帯+子世帯+子世帯」や「両家の親世帯+子世帯」など、家族の形はさまざまです。
基本的な間取りは二世帯住宅と似ているものの、世帯数が多くなればなるほど間取りで注意すべき点も増えていきます。この記事では、祖父母、親、子世帯などの三世帯での同居を検討している人向けに、三世帯住宅のメリット・デメリットをはじめ、間取りを決める際のポイントも解説します。三世帯で暮らすイメージをつかむ参考にしてください。
「三世帯住居」とは?「二世帯住宅」との違いは?
三世帯住宅とは、3つの家族が一つの屋根の下で同居するための住まいのことです。二世帯住宅も含めて「多世帯住宅」とも呼ばれています。多世帯住宅は完全分離型、一部共用型、共用型の3タイプの間取りがあり、家族の暮らし方に合わせて選択することが可能です。
一般的な二世帯住宅といえば「親世帯+子世帯」が多いものですが、三世帯住宅はさまざまな組み合わせが想定されます。
三世帯住宅が増えている背景には、生活スタイルの多様化に加えて、国が施策を進めているという点も大きく関係しているかもしれません。国は、大家族の世代間で支え合うライフスタイルを選択肢として広げるため、三世代同居・近居をしやすい環境づくりを推進しています。
「三世帯住宅」で暮らす世帯は「三世代」とは限らない
「三世帯住宅」は、三世代の家族が暮らす家とは限りません。政府が定義する三世代世帯とは、世帯主との続き柄が祖父母・世帯主の父母(または世帯主の配偶者の父母)・世帯主(または世帯主の配偶者)・子(または子の配偶者)および孫の直系世代のうち、3つ以上の世代が同居していることが判定可能な世帯のことです。
三世帯住宅は、血のつながりがある三世代世帯が暮らしているとは限りません。夫の親と妻の親といったように、血のつながりがない世帯が暮らしているケースでも三世帯住宅と呼びます。
三世帯住宅の組み合わせパターン
三世帯住宅には三世代だけではなく、さまざまな組み合わせがあります。ここでは、三世帯の組み合わせには、どのようなものがあるかいくつかのパターンを紹介します。
祖父母世帯+親世帯+子世帯
高齢化が進んでいる昨今では、祖父母世帯を含めた三世帯での同居も珍しくありません。例えば、70代以上の祖父母世帯、40〜50代の親世帯、20代の子世帯などの組み合わせです。こういったパターンでは、祖父母世帯が暮らしやすいようにバリアフリー設計にしたり、3階建てならホームエレベーターの設置をしたり、介護がしやすい設計にする視点も重要です。さらに、将来的な家族構成の変化も考慮しておくとよいでしょう。
親世帯+子世帯+子世帯
親世帯に加えて、長男または長女の子世帯、次男または次女の子世帯による三世帯同居のパターンもあります。ちなみに、シングルの子どもとの同居は2.5世帯同居と呼ばれます。この形の同居は、親の介護やサポートを兄弟・姉妹で協力できる点が大きなメリットです。しかし、兄弟・姉妹の配偶者たちは血のつながりがないため、程よい距離感で暮らせる間取りでないとストレスを感じやすいため注意が必要です。
夫の親世帯+妻の親世帯+子世帯
少子化で一人っ子が多い現代では、今後、両家の親世帯と子世帯が同居するスタイルも主流になる可能性があります。双方の親が一緒に暮らすので、双方から頭金や家財道具の費用を出してもらえるという点が魅力です。ただし、両家の親同士の相性がいい場合でないと、一緒に暮らす際の難易度は高くなるでしょう。
親世帯+叔父・叔母世帯+子世帯
親世帯と子世帯に加えて、親のきょうだいである叔父、叔母と一緒に同居するパターンもあります。叔父・叔母に子どもがおらず、高齢になるにつれて見守りが必要といったケースなどで想定される形です。ちなみにシングルの叔父・叔母との同居は、2.5世帯同居となります。
叔父・叔母と血のつながりがない子世帯の配偶者に配慮が必要なため、できるだけプライバシーを重視した間取りを検討しましょう。
三世帯住宅のメリット
三世帯で暮らすと、単世帯で暮らすよりもさまざまな恩恵を受けられることがあります。ここでは、三世帯住宅で暮らすメリットについて解説します。
建築コストを抑えられる
戸建て3軒を建てるよりも、三世帯住宅を1軒建てた方が1世帯あたりの建築費用が抑えられます。三世帯が暮らせる家は大きな家になりますが、それでも基礎や外壁のコストが3軒分建てるより安くなる場合がほとんどです。建築コストを抑えて、広い家に住みたい人にとって三世帯同居に大きなメリットを感じるかもしれません。
世帯間で育児や介護を協力し合える
祖父母の介護を親と子で、子世帯の育児を祖父母や親で…など、世帯間で協力し合えるとそれぞれの負担が軽減されます。他にも兄弟姉妹で同居する場合は、いとこ同士の年齢が近ければ一緒に遊ぶことも可能です。お互いに介護や育児の協力ができるので、助け合いながら家族の絆を強めることができるでしょう。
補助金が受けられることも
自治体によっては三世帯住宅の新築・リフォームによって、補助金が受けられることもあります。年度によって補助金制度や減税措置の内容が変わるため、建てる前に住宅会社や自治体に問い合わせてみましょう。
相続税を大幅に減額できる可能性がある
多世帯住宅に親子や祖父母などの親族で住むと、場合によっては「小規模宅地の特例」が適用されて、相続税を大幅に減税できる可能性があります。優遇措置を受けるためには、登記の方法などが決められていてルールが複雑です。まずは住宅会社の担当者に相談しましょう。
三世帯住宅のデメリット
三世帯で暮らすと、人によってはストレスを感じてしまうことがあります。ここでは、三世帯住宅で暮らすデメリットについて解説します。
世帯数が多く同居によるストレスを感じやすい
世帯が異なるとライフスタイルや価値観の違いがあることが多いため、一緒に暮らすとストレスを感じやすくなります。二世帯住宅であっても生活時間の違いからこれまでとのギャップを感じる人もいます。三世帯住宅だとさらに感じるかもしれません。特に、光熱費などのランニングコストの面で揉めやすいので、建築前に話し合っておくことが大切です。
売却しても買い手が見つかりにくい
三世帯住宅は需要が少ないことで、売却時になかなか売れないという点にも注意が必要です。二世帯住宅も間取りが広く、設備が多いことで売り出し価格が高く売れにくい傾向があります。三世帯住宅になると、二世帯住宅以上の設備の多さや価格のため、売り出しても売り手がなかなか見つからないかもしれません。
一世帯分が空いてしまう可能性がある
祖父母世帯が老人ホームなどに入居したり、子世帯が転勤したりすると、一世帯分の部屋が空いてしまいます。使わないスペースや設備ができてしまうので、勿体無く感じてしまう人もいるでしょう。そうならないために、計画段階で空いた部屋をそのままにしておくか、賃貸に出すか考えておくと安心できるかもしれません。
三世帯住宅の間取りポイント
三世帯住宅ではそれぞれのプライバシーに配慮した間取りづくりが重要です。ここでは、三世帯住宅の間取りを決める際のポイントについて解説します。
プライバシーを守りつつ、共有スペースも確保する
三世帯住宅で人気があるのは完全分離型の住宅です。しかし、完全分離型にすると世帯間でのコミュニケーションが取りにくいというデメリットもあります。そこで、日常的に生活をサポートし合えるように共有スペースを確保すると、コミュニケーションが自然と取りやすくなるのでおすすめです。
室内に共有スペースがつくりにくい場合は、室外につくるとよいでしょう。例えば、中庭やテラスなど室外に共有スペースをつくれば、適度な距離感を保ちつつ各部屋が緩やかにつながります。憩いの場として各世帯の緩衝地帯になるでしょう。
共有スペースは三世帯がアクセスしやすい場所に設置する
共有スペースは、どの世帯でもアクセスしやすい場所に設置しましょう。例えば、3階建て三世帯住宅に屋上テラスをつくる場合は、他の世帯の生活スペースを経由せずに行けるような動線にするとお互いに利用しやすくなります。1~3階までの階段部分を共有スペースにすれば、気兼ねなくアクセスできます。
トヨタホームなら、ずっと長く快適に暮らせる多世帯住宅プランを提案します
三世帯といっても空間や設備の使い方はさまざま、家族構成や暮らし方によってプランの内容も変わります。トヨタホームでは家族みんなが気兼ねなく、ずっと長く快適に暮らせる三世帯住宅のプランをご用意しています。
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