ポストコロナ時代で生じた住まいの課題
新型コロナウイルス感染症の流行によって、私たちの暮らしは大きく変化しました。家庭でも子どもの学び方や家族の働き方が変わり、家族と過ごす時間が増えた人も多かったのではないでしょうか。
内閣府が実施した「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査(※1)」によると、約70%(※2)の人が「家族と過ごす時間が増えた」と回答しています。
※ 内閣府「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」
(https://www5.cao.go.jp/keizai2/manzoku/pdf/shiryo2.pdf)を加工して作成
※1 調査期間/令和2年5月25日~6月5日、回答者数1万128名(うち就業者6,685名、子育て世代2,168名)
※2 大幅に増加(51%以上増加)・増加(21%~50%増加)・やや増加(6%~20%増加)の合計
家族と過ごす時間が増えたことで、住まいに求められる機能が大きく変わろうとしています。そのキーワードになっているのが「新しい生活様式」。新しい生活様式では3密を避けた生活や、テレワーク・時差出勤などによる新しい働き方、子どものオンライン授業、通販やデリバリーを活用した人との接触を減らす暮らし方などが求められます。そこで、新しい生活様式によって生まれた多くの課題を解決するため、ハウスメーカーは家づくりの面からさまざまな提案を始めました。
新しい生活様式で注目される住まいづくりのポイントは?
新しい生活様式に合わせた住まいづくりでは、次のポイントにこだわるといいでしょう。
手洗い場・洗面所の場所にこだわる
新型コロナウイルス感染症の感染予防で欠かせないのが「手洗い」と「うがい」。玄関に入ってすぐの場所に手洗い場を作ったり、洗面所やバスルームを、リビングを通らず行ける場所に作ったりすると便利です。
シューズクロークを作って、リビングにウイルスを持ち込まない
シューズクロークとは、靴を履いたまま入れる収納スペースのこと。玄関の横に作って、靴だけでなく上着や帽子、カバンなども収納すれば、キッチンやリビングにウイルスを持ち込みにくくすることができます。
テレワーク・リモートワークを意識した住まいづくり
新しい生活様式によりテレワークやリモートワークをする人が増えましたが、「夫婦でテレワークをすることになってスペースが足りなくなった!」「子どもが休校になり家で仕事がしづらかった…」といった悩みを抱えた人も多かったのではないでしょうか。これからの住まいづくりでは、リモートワークを意識したワークスペースの確保が重要。リモート会議が多い人は、話し声が気にならない「個室」にこだわることも大切です。
また、家で過ごす時間が増えたことで、光熱費も高くなりがち。太陽光発電システムなど、省エネを意識した住まいづくりも検討したいところです。
オンライン環境を充実させる
子どもたちもオンライン授業を受ける機会が増え、インターネット環境は住まいの重要なインフラになりました。間取りや設備を検討するときには、仕事や勉強のスペースだけでなく、通信環境も意識しましょう。
宅配BOXやパントリーを設置する
新しい生活様式では通販やテイクアウト、まとめ買いも推奨されています。荷物の受け渡しをスムーズにするために宅配BOXを設置したり、まとめ買いした商品をストックしておくパントリーを設置したりすると、快適に過ごせるようになります。
換気や抗菌を意識した設備
新型コロナウイルス感染症予防では、定期的な換気が有効です。また、抗菌を意識した設備や住まいも登場しているので、チェックしましょう。
【まとめ】
コロナによってもたらされた価値観の変化は、新しい生活習慣として定着しつつあります。住まいづくりではさまざまな視点から、新しい生活習慣を意識したプランが求められることでしょう。