注文住宅に限らず、マイホームや土地購入時には「諸費用」が発生します。諸費用は手数料や住宅ローンの保証料なども含まれており、トータルで数百万円になることもあります。特に注文住宅は建築費の総額が高くなりやすいため、「諸費用はどのくらいかかるのだろう」と不安になる人もいるでしょう。
そこでこの記事では、注文住宅の購入時に発生する諸費用の内訳をはじめ、相場について解説します。相場感をつかんで、事前に資金計画をしっかり立てておきましょう。
※この記事は2022年10月現在の情報を元に執筆しています
注文住宅の諸費用はどのくらいかかる?
諸費用とは、注文住宅の建築費用以外にかかる費用のことです。例えば、土地購入時の仲介手数料や登記費用などがそれに当たります。諸費用が発生するタイミングは大きく分けて「住宅購入時」と「住宅ローン契約時」の2回です。新築か中古か、戸建てかマンションかなど物件の種類によってもかかる費用は異なります。まずは大まかな諸費用の費用感を把握してみましょう。
注文住宅の場合、住居を取得する際にかかる費用総額の10%程度を占めるといわれています。単純に計算すると、例えば総額が2,000万円なら200万円、4,000万円なら400万円になります。できればこの諸費用は、住宅ローンに組み込まずに現金での支払がよいといわれているため、事前に用意しておく必要があります。では、次にどのような諸費用が発生するのか項目についても見ていきましょう。
注文住宅の購入時にはどのような諸費用が発生する?
注文住宅では、具体的に以下の諸費用が発生します。
・仲介手数料
・不動産売買契約書の収入印紙代
・工事請負契約書の収入印紙代
・所有権保存・移転登記の費用
・建物表題登記の費用
・火災・地震保険料
・不動産取得税
・金銭消費貸借契約書の収入印紙代
・融資手数料
・ローン保証料
・抵当権設定登記の費用
上記の費用はあくまでも、購入時や住宅ローンの契約時に発生する諸費用です。この諸費用とは別に毎年、固定資産税や都市計画税などがかかることも忘れないようにしましょう。それぞれの費用について詳しく解説します。
住宅購入時に発生する諸費用
最初に「住宅購入時」に発生する諸費用から解説します。
仲介手数料
仲介手数料とは、注文住宅を建てる土地を購入した場合、仲介してくれた不動産業者に対して支払う手数料のことです。ただし売主から直接、土地を購入した場合は、仲介手数料はかかりません。
また仲介手数料は法律で上限が定められていて、その上限額は売買価格によって異なります。上限額は以下の通りです。
200万円まで:取引額の5%
200万円超え400万円まで:取引額の4%
400万円超え:取引額の3%
売買価格が400万円を超える場合は、速算式「(物件価格×3%+6万円)+消費税」を用いて計算します。上限の目安を知りたい人向けに早見表にまとめたので、参考にしてください。
売買価格 | 仲介手数料 |
1,000,000円 | 55,000円 |
2,000,000円 | 110,000円 |
3,000,000円 | 154,000円 |
4,000,000円 | 198,000円 |
5,000,000円 | 231,000円 |
6,000,000円 | 264,000円 |
7,000,000円 | 297,000円 |
8,000,000円 | 330,000円 |
9,000,000円 | 363,000円 |
10,000,000円 | 396,000円 |
20,000,000円 | 726,000円 |
30,000,000円 | 1,056,000円 |
40,000,000円 | 1,386,000円 |
50,000,000円 | 1,716,000円 |
60,000,000円 | 2,046,000円 |
70,000,000円 | 2,376,000円 |
80,000,000円 | 2,706,000円 |
90,000,000円 | 3,036,000円 |
100,000,000円 | 3,366,000円 |
※仲介手数料は税込、消費税10%で計算
不動産売買契約書の収入印紙代
収入印紙とは、契約書などの文書を作成した際に、国に対して納める税金のことです。納める税額は契約書に記されている金額によって異なります。例えば、4,000万円の土地を購入するなら、「1,000万円を超え5,000万円以下のもの」となり税額は2万円です。ただし、2024年3月31日までに作成された契約書については、軽減措置が適用されて、税額は1万円となります。
工事請負契約書の収入印紙代
注文住宅の場合は、工事を依頼した施工会社との間で工事請負契約書の締結が必要となり、その契約書にも収入印紙が必要です。不動産売買契約書と同様、納める税額は契約書に記されている金額です。「1,000万円を超え5,000万円以下」であれば税額は2万円ですが、こちらも不動産売買契約書同様、軽減措置が適用されており、2024年3月31日までに作成された契約書については、税額は1万円となります。
所有権保存・所有権移転登記の費用
建物を新築した際は、その建物に対して自分の所有権を明示するために所有権保存登記、また土地の所有権移転登記を行う必要があります。その登記の際には、「登録免許税」も支払わなければなりません。
登録免許税額は「不動産の価額」✕「税率」で求められます。この不動産の価額は、建物完成後1年経過している場合、固定資産税評価額を元に算出されます。
例えば、建物の固定資産評価額が2,000万円で、税率が0.4%だった場合の登録免許税額は8万円です。ただし、いずれも軽減措置があります。土地の所有権移転登記については2023年3月31日まで本則2.0%が1.5%、建物の所有権保存登記は本則0.4%が0.15%の軽減措置があり、2024年3月31日まで適用されます。登記手続きを専門家の司法書士に依頼すると、2万~4万円ほどの報酬が別途必要となることも覚えておきましょう。
建物表題登記の費用
建物表題登記とは、まだ登記されていない建物について新規で行う登記のことです。注文住宅の場合、建物を新築したら最初に行わなければならない登記です。建売住宅や新築マンションの場合は、売主が行っているケースが大半で買主は原則行いません。ただし、建物表題登記では登録免許税はかかりません。しかし、専門家である土地家屋調査士に依頼するなら、その報酬として10万円程度を支払う必要があります。
火災・地震保険料
火災保険の保険料は築年数や住宅の構造、住宅の所在地といった条件によって大きく異なります。火災保険の保険料は各保険会社や補償内容によって多少の違いはあるものの、火災に加えて、風災や水災の補償をカバーしたい場合は、木造などのH構造の火災保険は契約期間5年で9万~11万円ほどが相場です。
ちなみに現在、火災保険は最長の10年契約が廃止されたため、最長で5年契約しかできません。地震保険だけで加入はできないため、火災保険とセット加入しましょう。地震保険の保険料は住んでいる地域と建物構造で決まります。例えば木造建築の場合(保険期間1年間)、保険金額1,000万円あたり約1万~約4万円と幅があります。鉄筋コンクリート造の住宅に比べて木造住宅の方が保険料は高くなります。
不動産取得税
不動産取得税は、土地や家屋の建築などで不動産を取得した際に、取得した人に対して課税される税金のことです。これは、取得したときに1回だけ支払うものです。
建物の不動産取得税を求める計算式は「建物の固定資産税評価額×税率4%」。固定資産税評価額が2,000万円の建物なら、80万円が不動産取得税となります。一方、土地の不動産取得税は「土地の固定資産評価額×税率4%」で求められます。
ちなみに、2024年3月31日までそれぞれに軽減措置が適用されます。建物は「建物の固定資産税評価額×税率3%」、土地は「土地の固定資産評価額×1/2×税率3%」です。
住宅ローンの契約時に発生する諸費用
続いて、住宅ローンの契約時にかかる諸費用について解説します。
金銭消費貸借契約書の収入印紙代
金銭消費賃借契約書とは、金銭を消費貸借の対象とする契約のことで、借り入れを行う金融機関と締結する契約書です。不動産売買契約書や建設工事請負契約書同様、収入印紙代が必要となります。ただし、こちらに関して軽減措置はありません。例えば、契約書に2,000万円の金額が記されているなら、「1,000万円を超え5,000万円以下のもの」になり、納める税額は2万円となります。
融資手数料
融資手数料とは、借り入れする金融機関に「住宅ローンの申し込み手続きの報酬」として支払う費用のことです。一般的に、融資手数料は3万~5万円が目安です。ネット銀行など低金利な住宅ローンでは、融資額に対して2.2%といったように設定されていることもあるので、手数料を抑えたい場合は融資手数料の安い金融機関を選ぶと良いでしょう。
ローン保証料
ローン保証料とは、保証人を保証会社に依頼する際にかかる費用のことです。金額1,000万円に対し20万円ほどが相場といわれています。例えば、3,000万円の借り入れなら、60万円ほどを見積もっておく必要があります。
抵当権設定登記の費用
抵当権とは、いわゆる「担保」と呼ばれるものです。借り入れの際、返済不能に陥った際に備えて、金融機関が土地や建物に抵当権を設定するように求めてきます。その際には登録免許税の支払いが必要となります。
登録免許税を求める計算式は「住宅ローンの借入金額×0.4%」です。3,000万円の借り入れなら、12万円の登録免許税がかかる計算になります。ただし、一定条件を満たすと、2024年3月31日まで税率が0.1%になる特例措置の対象になります。さらに、登記を専門家の司法書士に依頼する場合、報酬として別途2万~4万円ほどがかかるのでこの費用についても考慮しておきましょう。
注文住宅を建てるなら、税金の優遇措置を活用して諸費用を抑えよう
注文住宅の場合、建築費の総額が高いため、それに比例して諸費用も高くなりやすい傾向があります。目安としては、総額の10%を目安に資金計画を立てておくと安心です。国による税金の優遇措置も多数用意されているため、優遇措置を大いに活用することで、かなり税金負担が軽減されるので事前に調べておきましょう。
さらに、注文住宅を多く手掛けているハウスメーカーに相談しながら進めるとより資金計画もスムーズに進められます。トヨタホームはお客様の要望や状況に合ったアドバイスで、一生に一度の家づくりをサポートしています。資金計画でもお悩みがある方をはじめ、家づくりに関して相談したい方は、ぜひ一度お近くの展示場にお越しください。
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