狭小住宅でも床面積が確保できることから、「スキップフロア」が人気を集めています。スキップフロアは居住スペースとして活用でき、壁などで区切られないため部屋全体を開放的な空間にできることが魅力です。しかし一方で、デメリットがあることも事実です。デメリットを考慮せずに間取りを決めてしまったことで、家を建ててから後悔するケースも少なくありません。
そこでこの記事では、スキップフロアの間取りで後悔しないために、失敗しやすいケースの具体例を挙げながら対策方法を解説します。スキップフロアに憧れを持つ人は、ポイントを把握して家づくりを成功させましょう。
スキップフロアはどんな点に後悔しやすい?失敗ケース4選
それでは早速、実際に建てた人が後悔しやすいスキップフロアの失敗例について見ていきましょう。
なお、スキップフロアの間取り例について、詳しくはこちらをご覧ください。
暖かい空気が上に逃げてしまい、1階が寒い
縦の緩やかな広がりを考慮して間取りが設計され、壁やドアなどの仕切りを設けずに床面積を確保するスキップフロアは、吹き抜けのような開放的な空間が特徴です。しかし、1階で暖房を使用しても、暖かい空気は上昇しやすいため上階に流れてしまい、1階が寒くなることもあります。さらに部屋全体が暖かくなるまでに必要以上に時間がかかり、その分光熱費が高くなりがちです。
このような失敗を防ぐためには、主に3つの対策が有効です。まずは、高断熱・高気密の家にして、外気の影響を受けにくくすることです。外気の影響を受けにくくすれば冷暖房効率もアップするため、夏でも涼しく、冬でも暖かさをキープできます。
次に、シーリングファンを天井に設置して1階と2階の空気を循環させることです。例えば暖房の場合は、空気が上向きに吹き飛ばされるようにファンの回転を設定してみましょう。シーリングファン下の寒い空気を引き上げて、強制的に天井近くに停滞する暖かい空気を下に移動してくれます。ただし、吹き抜け天井や高所にシーリングファンを取り付けている場合は、常に下向きの風になるよう使用しましょう。
最後は、全館空調を採用することです。全館空調があれば、家の中の温度差を抑えられるので、どのフロアにいても寒さや暑さを感じずに過ごせます。さらに床暖房を一緒に使うことで、足元から心地よい温度になり、より快適に過ごせるようになります。
※全館空調に関する情報は2022年10月時点の情報ですので、詳しくはお近くのトヨタホーム展示場スタッフにお問い合わせ下さい。
階段が多くて掃除が大変
スキップフロアは1.5階や2.5階といったように、段差をつけてスペースを確保することが特徴の間取りです。当然のことながら、家の中には段差が増えます。段差が多いことで発生する問題としてまず挙げられるのは、掃除の手間が増えることです。
特にロボット掃除機を使っている家庭では、スキップフロアの段差ごとにいちいち掃除機を移動させる必要があり、ロボット掃除機を使うメリットが半減してしまいます。スキップフロアのある家庭は、ロボット掃除機ではなく軽量のコードレス掃除機を使うと手間を解消できるでしょう。また、各フロアに使い捨てタイプのモップを置いておくなどの工夫をすれば、多少負担を減らすことができます。
ニオイや音が広がりやすい
スキップフロアは縦につながる空間なので、吹き抜けと同じような特徴を持ち、ニオイや音が広がりやすくなります。例えば、1階で料理をしているとそのニオイは上階に流れてしまうため、ダイ二ングで焼肉をしたら、その煙とニオイは家中に広がってしまうでしょう。
また、ニオイだけでなく音も通りやすいため、1階で叫んだ声も家中に響きわたります。例えば2.5階のスキップフロアに子どもの学習スペースを設置している場合は、それほど大きな音でなくても、1階のリビングで見ているテレビの音も届きやすくなります。勉強している子どもの集中力が、低下するかもしれません。
スキップフロアは子どもが小さいときは、家族の気配を感じやすいというメリットがあるものの、子どもの成長とともに配慮が必要になることもあります。できればスキップフロアは子どものプライベートな空間にしないで、別途子ども部屋を用意するなどの対策を講じてあげるとよいでしょう。
上手に活用できない
スキップフロアは段差を付けることで床面積を確保でき、居住スペースや収納スペースとしても活用できる使い勝手の良さが魅力です。しかし構造は複雑なため、使いこなせるようになるまで時間がかかる人も多くいます。
おしゃれだからという理由でスキップフロアを取り入れても、使い道が決まっていないと、いざ生活を始めてから後悔することもあります。とはいえ、スキップフロアは書斎や本棚スペース、収納スペースなどに加えて、子どもの遊び場やテレワークなどのワークスペース、セカンドリビングとしても活用でき、アイデア次第で使い方が広がるものです。スキップフロアを取り入れる際は、どんな使い方をしたいのか、設計前にしっかりと考えておくようにしましょう。
スキップフロアの費用もしっかり押さえておこう
スキップフロアは横に空間を広げるため間仕切壁が少なくなり、地震などの揺れに弱いという面があります。このような弱点を克服するためには、筋交いや柱の数が少なくても耐震性をしっかり確保できる鉄骨構造などで建てたほうが安心です。しかしその場合は、木造と比べて建築費用が高くなりがちです。
一方で、床面積を増やす方法として効果的なスキップフロアは、一定の要件を満たすと延べ床面積に加算されないこともあります。例えば、天井の高さが1.4m以下のスキップフロアだと居住スペースとしてみなされず、建築基準法上の延べ床面積には該当しません。その場合は、固定資産税が安くなることもあります。
ただし、スキップフロアを延べ床面積に加算するかどうかの判断は各自治体によって異なります。事前に、ハウスメーカーによく確認するようにしましょう。
※耐震性に関する情報は2022年10月時点の情報ですので、詳しくはお近くのトヨタホーム展示場スタッフにお問い合わせ下さい。
※費用に関する情報は2022年10月時点の情報ですので、詳しくはお近くのトヨタホーム展示場スタッフにお問い合わせ下さい。
スキップフロアを取り入れる際の注意点
先にも述べたように、スキップフロアは一般的な住宅よりも構造が複雑で設計も難しい一面があります。間取りに取り入れる場合は、高度な構造計算が求められるだけでなく、施工する側にも非常に高度な技術が必要になります。
また構造の特性上、揺れに弱いという弱点があるため、耐震性を保つための措置も重要です。満足のいく家づくりをするためにも、依頼するハウスメーカーはスキップフロアの施工実績があるところにするなど、慎重に選ぶようにしましょう。
※耐震性に関する情報は2022年10月時点の情報ですので、詳しくはお近くのトヨタホーム展示場スタッフにお問い合わせ下さい。
トヨタホームならスキップフロアの実績多数!タテとヨコの空間を最大限に生かした設計が可能
スキップフロアは設計や施工が難しいため、後悔しないためにも取り入れる際は実績のあるハウスメーカーに依頼することが大切です。その点、トヨタホームならスキップフロアを取り入れた家づくりの実績多数で、高い耐震性を発揮する鉄骨ラーメン構造を採用しているため、安全性にも優れています。しかもトヨタホームが採用する「鉄骨ラーメン構造」では、タテとヨコの空間を最大限に活かした大空間が作りやすく、設計の自由度が高くなります。トヨタホームの鉄骨ラーメン構造に興味をお持ちの方は、ぜひ一度カタログ請求や展示場で見学をしてみてください。
※耐震性に関する情報は2022年10月時点の情報ですので、詳しくはお近くのトヨタホーム展示場スタッフにお問い合わせ下さい。
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スキップフロアで後悔することに関するよくある質問
スキップフロアの欠点は何ですか?
スキップフロアの欠点には以下のような点が挙げられます。
1. 間取りが複雑になる
スキップフロアは異なるレベルに小さな階段を設けることで空間に変化を持たせますが、その結果、間取りが複雑になることがあります。特に、高齢者や小さな子供がいる家庭では、階段の昇降が負担になる可能性があります。
2. 家具の配置が難しい
異なる高さのフロアがあるため、大きな家具を配置する際に場所を選ぶ必要があります。また、フロアごとに空間が分断されるため、一つの大きな空間を活用することが難しくなります。
3. 建築コストの増加
スキップフロアの設計は通常のフラットなフロアに比べて複雑であり、その結果、建築コストが増加する可能性があります。特に、構造計算や耐震性に関する配慮が必要になる場合があります。
4. 照明計画の複雑化
異なる高さのフロアが存在することで、照明計画を立てる際にも工夫が必要になります。自然光の取り入れ方や、各フロアを適切に照らすための照明の配置など、細かな配慮が求められます。
5. プライバシーの配慮
スキップフロアは視線が交差しやすい構造をしているため、プライバシーの確保に配慮が必要です。特に、開放的な空間設計の場合、家族間での音の伝わりやすさも考慮する必要があります。
これらの欠点にもかかわらず、スキップフロアは空間にリズムや変化をもたらし、住まいに独特の魅力を加えることができます。そのため、これらの欠点を理解し、上手に対処することで、快適なスキップフロアの住まいを実現することが可能です。
スキップフロアの固定資産税はどうなる?
スキップフロアの固定資産税については、スキップフロア自体が固定資産税の計算に直接影響を与えるわけではありません。
固定資産税は、土地と建物の評価額に基づいて計算されます。建物の評価額は、その構造、床面積、築年数などによって決定されます。
スキップフロアのある家は、特別な設計や追加の建築コストがかかる場合があり、これが建物の評価額を高める要因となる可能性があります。
しかし、スキップフロアそのものが固定資産税を直接増加させるわけではなく、評価額が高くなる可能性がある要素の一つと考えるべきです。
固定資産税の詳細な計算方法や評価額の決定については、地域の自治体によって異なるため、具体的な影響を知りたい場合は、所在地の市町村役場の固定資産税課に相談することをお勧めします。
スキップフロアの部屋のメリットは?
スキップフロアの部屋のメリットは、空間の利用効率を高めることができる点です。
異なる高さのフロアを設けることで、一つの大きな空間に見えることなく、それぞれのフロアにプライバシーを持たせることが可能になります。さらに、段差の部分に収納スペースを設けることで、重い荷物を収納する事ができます。
また、視覚的にも開放感があり、デザイン性の高い住空間を実現できます。
さらに、スキップフロアは、自然光や風の流れを取り入れやすくするなど、住まいの快適性を向上させる効果も期待できます。