空間をおしゃれにでき、床面積を確保しやすいスキップフロアは人気を集める一方、バリアフリーの観点から老後の暮らしを心配し、導入を迷う人も少なくありません。
確かにスキップフロアを取り入れれば室内には段差が増え、バリアフリーの導入は難しくなるでしょう。しかし、スキップフロアがあるからこそ、高齢者にとっての利便性が向上するケースもあります。
そこでこの記事では、スキップフロアを取り入れたいと考えている人に向けて、住まいづくりの際に検討しておくべき大事なポイントについて紹介します。よく読んで、ぜひ理想の住まいづくりに役立ててください。
デメリットから検証!老後、スキップフロアが心配な理由とは?
そもそも、スキップフロアが老後には不安だといわれる理由は何なのでしょうか。まずは、スキップフロアのデメリットからその理由について検証してみましょう。
段差が多く、バリアフリーにならない
確かに、段差や階段を取り入れて空間を区切るスキップフロアでは、バリアフリーを実現することは難しいでしょう。年齢を重ねて筋力や身体能力が衰えると、ちょっとした段差でもつまずいたり、バランスを崩して転倒しやすくなったりします。ただでさえケガのリスクが高まる中で、室内に段差が増えることでますます危険性が高まり、老後の暮らしについて不安を感じる人も少なくないようです。
階段が多くて掃除が大変
スキップフロアを取り入れると室内に階段が増え、掃除が面倒になります。掃除機をかける場合は段差ごとに重たい掃除機を移動しなければならず、年齢を問わず大変な労力が必要になるでしょう。また、自力で段差を移動することができないため、便利なロボット掃除機も使えません。掃除機は日常的にかけるものなので、日々の掃除のことを考えて導入をためらう人もいるようです。
階段を使っての荷物の出し入れが不便
スキップフロアは収納スペースとして活用することも可能ですが、荷物の出し入れは階段を使って行うため、結局上り下りが必要になり、高齢になってから不便さを感じるという声もあります。例えば、ロフトをイメージしてみると分かりやすいでしょう。はしごを使って高いところから荷物を出し入れすることはもちろん、重い荷物を持って階段を上ることは非常に大変で困難です。高齢になると筋力も衰えるため、いずれ活用できなくなるのではないかと考える人も少なくありません。
冷暖房効率が悪い
スキップフロアではドアや壁を使わずに空間を仕切るため、冷暖房効率が下がりやすいデメリットもあります。特に暖かい空気は上昇しやすいため、1階部分は寒くなりがちです。フロアを移動した際の寒暖差による急激なヒートショックは、高齢者の健康にとっても良くありません。冬場の寒さが解消しにくいことは、多くの人が不安を感じているといえるでしょう。
デメリットばかりではない!スキップフロアがあると老後の暮らしが便利になるメリットも!
実は、スキップフロアのある住まいはデメリットばかりではなく、利便性が向上することもあります。そこでここからは、スキップフロアによる高齢者にとってのメリットについて見ていきましょう。
段差があることで立ち上がりが楽になる
実は小上がりも、スキップフロアの一つです。例えば、LDKの隣に和室を作る場合、一続きのフラットな和室にするか、一段つけて小上がりの和室にするか悩む人も多いでしょう。一見、高齢者にはフラットな方がいいような気がしますが、実は低すぎる座面は立ち上がる際に膝や腰に負担がかかりやすくなります。
そのため、立ち上がりを楽にするのであれば、フラットな床よりも小上がりの方が適しているといえます。また足腰が弱ってきたときには、小上がりの段差を腰掛けとして利用することもできます。
緩やかな階段が作りやすい
スキップフロアでは緩やかな階段が作りやすいことも、高齢者にとってのメリットの一つです。直線の階段はどうしても急勾配になりやすく、万が一転落してしまった時には、階下まで一気に落下するリスクもあります。
そのため、高齢者にとっては方向転換が可能な踊り場があり、勾配の緩やかな階段を取り入れることが望ましいのです。階段の踊り場を広く設けてスキップフロアを作ったり、椅子を置いてちょっとした休憩の場にしたりしてもよいでしょう。
半地下のスキップフロアなら荷物の出し入れが容易になる
スキップフロアは床の一部を数段下げて、半地下に設置することも可能です。半地下のタイプなら階段を上らずに荷物の出し入れができるため、高齢になった時でも使いやすいでしょう。
ただし、半地下にスキップフロアを設置する場合は、ある程度の天井高が無いと屈む必要があり、腰への負担が大きくなります。あらかじめ、どの程度の天井高が必要なのか事前にチェックしておくと安心です。
将来的な視野も必要!スキップフロアの住まいづくりで大事なこと
ここまで、スキップフロアには老後の暮らしにとってデメリットだけでなくメリットがあることもお伝えしてきましたが、ここからは間取りを決める際の注意点について解説します。
なお、以下の記事にてスキップフロアの間取り例を紹介しておりますので、併せてご覧ください。
上り下りしやすい階段の寸法を検討する
建築基準法によると、一般住宅の階段の寸法は以下のように定められています。
【蹴上】23cm以下
【踏面】15cm以上
【階段と踊り場の幅】75cm以上
しかし、この寸法通りに作ると傾斜がきつく、急な階段になってしまいがちです。そのため建物面積に余裕がある場合は、階段のサイズは上り下りしやすい寸法にしておくと老後も安心でしょう。
上り下りしやすい階段では、蹴上と踏面のバランスが重要です。登りやすい階段は「蹴上×2+踏面=60cm」という式で計算され、この60㎝とは日本人の標準的な歩幅と同じくらいのサイズといわれています。住宅の階段に当てはめると、以下がベストサイズです。
【蹴上】19cm
【踏み面】22cm
ただし蹴上を19cmにすると段数を増やさなければならず、建築コストや建築面積が必要になる点には注意が必要です。また将来的なリフォームも含め、同時に手すりの設置についても検討するとよいでしょう。
全館空調をプラスして室内の温度を均質に保つ
スキップフロアの冷暖房効率が悪いというデメリットは、全館空調を採用することで解消できます。全館空調とは居室だけではなく、廊下など含めた建物全体を冷暖房し、24時間換気を行う空調システムのことです。全館空調を取り入れると空気が循環しやすくなるため、仕切られていないスキップフロアや吹き抜けなども含めて、効率的に家中の室温を均質に保ちやすくなります。
もし、足元からの冷えを解消したい場合は、合わせて床暖房の設置も検討するとよいでしょう。足元から温まると空気が循環されやすくなり、より家全体が暖まりやすくなります。
※全館空調に関する情報は2022年11月時点の情報ですので、詳しくはお近くのトヨタホーム展示場スタッフにお問い合わせ下さい。
耐震性をしっかり確保する
スキップフロアを取り入れた構造は地震の横揺れに対して弱いため、耐震性をしっかり確保することも重要です。住宅は壁と床で支えているため、床が一体化していないスキップフロアでは地震の横揺れを均等に伝えられず、吸収しにくいという特徴があります。
木造住宅ならなおさら、耐震性にやや不安も残るかもしれません。老後も長く安心安全な暮らしを実現するには、できれば木造ではなく鉄骨など耐震性が高くなる構造を選ぶなど、耐震性についてしっかり考慮するようにしましょう。
※耐震性に関する情報は2022年11月時点の情報ですので、詳しくはお近くのトヨタホーム展示場スタッフにお問い合わせ下さい。
老後も安心安全な暮らしを手に入れるなら、トヨタホームのスキップフロアがおすすめ
トヨタホームのシンセシリーズは、独自に開発した強靭な構造体「パワースケルトン」で、確かな耐震性能を実現しました。標準仕様の住宅でも国が定めた住宅性能表示制度の最高ランク「等級3」の基準値を大きくクリアしており、数百年に一度の確率で発生する大震災の1.5倍の地震力でも倒壊しない耐震性能を持っています。そのため、トヨタホームの耐震と制震を組み合わせた住宅なら、スキップフロアでも自由度の高い設計が可能です。
また柱と梁による構造のため、耐力壁と呼ばれる動かせない間仕切りがなく、リフォームする際も制約が少なくなります。トヨタホームのスキップフロアが少しでも気になる方は、まずはカタログ請求をした後で、さらに展示場で確かめてみてください。
※耐震性に関する情報は2022年11月時点の情報ですので、詳しくはお近くのトヨタホーム展示場スタッフにお問い合わせ下さい。
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